設備紹介

 引っ越し後,2カ月近くの時間が経過いたしました.本当にいろいろありましたが,今後このページをさらに充実させるために,設備について紹介いたします.おそらく,家を建てるようとしている方は,設備を如何に充実させるかを考えると思います.少しは参考になるかと思います.

最終更新日2004年1月23日

LAN配線

 先ずは,家庭内のLAN配線についてです.お金をかければ専門的にやってもらえるとは思いますが,私の考えたのは,自分でメンテナンスができるシンプルな設備です.何故かと言えば,皆さんも経験しているかと思いますが,情報分野の進歩は異常に早く,今のシステムが何年も続くとは考えられません.私自身が理解できないシステムを構築しても,専門家に来ていただかないと改善できなくなります.最近,LAN配線は流行っているようですが,その多くの場合は,ケーブルを通すチューブを入れているようです.これは,情報化社会が更なる進歩を遂げても対応できるための対策です.無線LANも含めて今後の展開は常に変化があると考えるべきです.

 うちの場合には既に無線LANも含めたシステムを使っていましたので,建築にあたってはイーサーネットのコネクターと配線だけお願いしました.

 インターネットとの接続はCATVを使っています(これは,前から使っていたので変更したくなかった).この部分については,引っ越し当日,CATV依頼の工事会社の方が来て工事してくれました.ハブ2台は自前のもので,以前から使っていたものです.工事で構築してもらったのは青枠の中の配線と四角で抜いてある10BaseTのコネクターだけでした.ノートパソコンなどを含めて,複数台のパソコンを使っていますが,問題なくインターネットに接続できています.

 

軟水ピタッチ

 さて,次に注目の軟水ピタッチについての説明です.

 これが,本体の写真です.これは,イオン交換して金属類を落とすものと考えます.塩を足して,再生ボタンを押すという作業が必要です.そもそも,軟水とは何かというところから始めないと,何が良いのか分からないと思います.軟水生活と言うHPがここにあります.ここのページにも見ごたえのある記載がありますね.まあ,エコロジー,健康がキーワードになりますが,石鹸も見直す必要もありそうです.これ以上の詳しい説明は私には書けませんので是非,ご参照ください.

 そもそも,軟水,硬水,硬度と言う言葉はアクアリウムをやっている人は,多少なりとも意識しているものと思います.水はアクアリウムの命であると思います.その地域で飼育水の硬度は決まってしまうので,どうもうまくある種の魚が飼えないということもあるようです.これは,普通はこの硬度を変化させることはあまりなく,精々PHを調整すると言う程度でアクアリウムをやっているからです.

 簡単に言えば,カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの硬度が高い水を硬水,低い水を軟水と言います.水の循環を考えると,海水等から蒸発した水分が,雲などを形成しやがて雨として陸上に降っています.この水は硬度が低いわけですが,それが地中に入り込み,岩石の中を通り抜けて来るわけです.その過程において,いろいろな物質が溶け込みます.これが,水の硬度を高めるわけです.井戸の水は一般に硬度が高いようです.雨水をベースとした水道の方が,硬度は低いようです.日本の水道水は一般的には硬度が低いことが知られていますが,中には高い地域もありますので,その地域地域で調べる必要があります.軟水ピタッチは硬度の高すぎる地域と低すぎる地域では使えないそうです.

 さて,上の写真の装置では,イオン交換樹脂を使用してカルシウムイオン、マグネシウムイオンをナトリウムイオンと交換するのではないかと思います.しかし,詳細は良く分かりません.とにかく,スイッチの再生ボタンを押した後の水は,明らかに違いますので,軟水になっていると思います.ナトリウムイオンは時々,イオン交換樹脂に付加してあげなくてはなりません.そこで,ナトリウムイオンの濃い塩水を通過,再生させてあげる必要があると理解しています.日立の商品では,塩を上の蓋を開けて入れてあげています.再生ボタンを押すと塩水がイオン交換樹脂を通って,機械の下にある排水口から出てきます.

 上記の軟水生活のHPを見る限りでは,純石鹸使いたいが,そうすると泡立たない,石鹸カスができるという事態になると書かれています.そのために,「エデト酸」「アルミノケイ酸塩」などの水軟化剤を使って,軟水化後に泡立つということになります.石鹸自体が,軟水化と泡立てと言う2つのステップをやっているわけです.この後,軟水の泡立て実験をしてみました.

 先ずは,同じ量の水をペットボトルに入れてみます.片方は軟水でもう片方は普通の水道水です.ここに,同量の石鹸を入れました.

 普通の水道水の方は,入れただけで,水が白く濁りました.

 それを,20回振って見ました.明らかに泡立ちが違うようです.と言うことで,どうやら泡立ちの早さには影響を与えるようです.

 で,最終的な結論ですが,軟水を使うということは,それにマッチする化学成分を抑えた石鹸が使える.必要かどうかはご自身の判断になります.なお,これのランニングコストをどう見るかも,本人の満足感に因ると思います.最低でも,うちは井戸水だから不要だというのは間違いです.ただし,井戸水を軟水化できるかどうかは,検討してから設置しましょうね.

無垢材の内装

 今まで紹介してきたように,全面無垢貼の家が完成しました.住宅室内で建材等から放散するホルムアルデヒド等の化学物質による健康への影響を極力小さくするのが目的です.さて,その成果はいか程だったんでしょう?本当はライフプロジェクトさんでも,気密測定同様,ホルムアルデヒドの測定装置を持っていて,引渡のときに測定結果を付けてくれるのが良いんですがね.

 (財)住宅保証機構の中にホルムアルデヒド簡易計測サービスのご案内と言うページがあります.そこを見ると,機械を貸してはもらえますが,まあ個人でここまでやるのもどうかと思ってしまいます.そこで,見つけたのが(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターのHPにある,室内空気環境に関する実態調査のモニター募集です.これは,一切お金がかからず,さらにその他の化学物質の濃度も測定してもらえます.と言うことで,早速応募しましたが,モニターに決定しました!

 送られてきたのは測定バッジ2つとアンケートです.あと,簡易温度と湿度計が来ました.そう言えば,うちに住み始めてから温度湿度を気にしたことがありませんでした.

 こんなやつです.可愛いでしょ?

 測定用のバッジはこんな感じのが2つです.つるすか,置くかどちらかだそうです.うちは子供のおもちゃにされそうなので,リビングのサイドボードの上にこっそりと置くことにしました.基本的には,24時間放置して,それを送り返すだけのようです.と言うことで,早速,やってみました.

 一応,台の上に直接置かずに,陶器の皿などに置けと書いてありましたので,お皿に置いておきました.ちょうど暑くなると,ホルムアルデヒド等が発生しやすいそうです.建築後夏を済ませてから入居するという方法があるのを聞いたことがあります.ここまで気を使って建築したのだから,リビングのホルムアルデヒドの濃度は気になるところです.

 と言うことで,即実行してみました.即日測定,次の日には返送という私にしてみれば神業的な早さで実施しました.結果が帰ってくるのが楽しみです.家具や,色々なものから化学物質は出てくると思います.我々が現在,どう言う環境下にいるかを知るのは,重要ですね.約1カ月して結果が返ってきました.

分析項目

実測値

厚生労働省の指針値

ホルムアルデヒド濃度

0.06 ppm

0.08 ppm

アセトアルデヒド濃度

0.17 ppm

0.03 ppm

トルエン濃度

<0.01 ppm

0.07 ppm

エチルベンゼン濃度

<0.01 ppm

0.20 ppm

キシレン濃度

0.01 ppm

0.88 ppm

スチレン濃度

<0.01 ppm

0.05 ppm

 分析は(財)ベターリビングが行ない,測定値は測定バッジで捕集したホルムアルデヒド等を溶媒にて溶出後,24℃の状態とみなして分析したものです.測定した室内における24時間の平均濃度を示しています.と書かれています.つまり,化学物質を捕集して量を測定して,24℃とみなして濃度に換算したと言う理解で良いのかと思います.

 実測に関しては

2003年7月10日午後10時20分〜2003年7月11日午後10時20分

最も人のいる時間が長いと思われるリビングのステレオラックの上(本来あまり壁に近づけないように指示がありましたが,ちょっと壁に近い位置)

環境は普段通り(24時間換気を弱でまわしたまま,窓の開放はなし)

当日は梅雨の蒸し暑い日に行なわれました.上の簡易温度計では28℃,湿度も80%(あまり色が変わらないんです)に近いものと思われます.

 結果はご覧の通りなのですが...温度(湿度もかも)というのがホルムアルデヒド等の発散量に大きく影響をするようです.ホルムアルデヒドは,1℃上昇すると1.12〜1.13倍になるというような記事もどこぞにありました.そう考えると,仮に24℃で0.04 ppmであったとしますが,1.12倍X4で28℃(これが1日の平均室温とすれば)になると,0.063 ppmになってしまいます.また,ホルムアルデヒドの量を24℃で換算するときのバイアスがどっちかへかかってしまうはずですが,ここでは加味されていないはずです.うちの実測値の0.06 ppmと言うのは,もちろん厚生労働省の基準値を下回っていますが,室温が下がれば更にかなり低い値が出るのではないかと考えます.ただし,厚生労働省も実際はppmと言う変化する値では指針は示していないようです.100mg/m3と言う指針が存在します.うちの場合は28℃でこれですが,30℃でも越えてはいけない値です.とは言え,結果を見て,建築された直後の梅雨の暑い日という最悪な条件下でしたので(おそらくこれ以上はないと思える),まあまあと言う見方をしています.当HPへ来られた方々は,どの位の値かを気にされると思います.どの位をを期待されますか?もちろんゼロなんですかね?実際の工事をするのを見ていると,いろいろな建材が使われて,ゼロは難しいだろうというのが分かります.気になる場合は,換気量を多めにするのが良いでしょうね.因みにリビングには給排気口はなく,ダイニングと和室の両方からの空気の流れに頼っている状態です.

 さて,とっても気になる点があります.アセトアルデヒド濃度が異様に高いです.この値をそのまま掲載すると,工務店さんにご迷惑がかかるかも知れないと考えもしましたが,実はそう思いません.何故ならば,後に書くように,これは建材に責任があるとは思わないからです.事実として出てきた値を改ざんする事はできませんので(ここまで読んでいただいた方にはお分かりと思いますが,私は工務店さんの営業じゃありませんので,事実こそ重要と考えます),取り敢えず,書かれたままの値を出しています.厚生労働省の基準値の6倍近い値というのは,健康には影響のある値かも知れません.アセトアルデヒドは接着剤や防腐剤に使われることがあるそうですが,クロス貼されていない我が家で,しかも床もリビングの測定した箇所は間違いなく自分で貼った場所です.これは,建築の記事にも書いたとおり,接着剤は使わず,床板を1枚1枚フィニッシャーで貼っていきました(どうも,床を接着剤で貼るのは普通に行なわれているようですが,うちは違います).もちろん,他の箇所も同じ作業で行なわれています.従って,高濃度については,思い当たるものがありません.タバコの煙などに含まれるそうですが,私はタバコはしません...家内と話していたら,アルコールにも含まれるそうですが,私がバッジを設置したときに酔っ払っていたからだと言う意見が出てきました(笑).確かに,飲んではいましたが,1日の平均濃度を6倍もあげてしまう程だったら,とっくに生きていないのではないかと思われます.しかし,言われてみれば...

 現状では思い当たる原因が分かりません.その1つが,設置している場所にあるラックの上に敷いてある敷物(写真に出ている白いやつ)くらいでしょうか?あとは床のワックス(自然塗料ですが,アウロに入っていたりして...).他の値が予定通り低いだけに,建築のときにこれだけ高い値の建材が使われたと考えるのはおかしいような気もします.因みに,うちの建築にはJAS規格のFc0(当時最高の基準)と言うものが使われています.平成15年7月1日の改正建築基準法の施行によって,更に上の基準ができて,現在はF☆☆☆☆と区分されるようです.当時の最高基準は現在F☆☆☆と呼ばれて,第3種ホルムアルデヒド発散材料とされています.つまり,Fc0が現在はF☆☆☆☆とF☆☆☆に分けられました.良く,換気の設置が義務付けられた事だけが話題にでますが(お金がかかるので),こう言った発散材料の使用量が規制されています.こうやって,上の基準値の100mg/m3(25℃の時の0.08 ppm)のクリアーを国土交通省が頑張っているわけです.そう考えると,アセトアルデヒド濃度について,はっきり工務店さんに聞くのも気が引けています.いずれ,話題にしようとは思いますが....住んでいて,あまり化学物質の気配も感じないんですけどね.住んでいる自分達でさえ,未だに家に入ると木の良い匂いが先ず入ります.嘘だと思う方は,実体験してみるのが一番だと思います.ハウスメーカーのモデルハウスに入ったような違和感は全くありません.建築を予定しているような方が見えたときには,玄関で必ず驚いてくれます(これが喜びだったりして).もっと疑えば,むしろ測定値が1桁違っているんでは?!って言う疑いさえも抱かせます(そうすると,0.02 ppmになってとってもリーズナブル).いずれにしても,現状で健康被害も無いし,機会があればもう一度測定してみたいですね(仮に,建築された他の方が測って,データを示してくれても同じ事ですね).いずれにしても,ホルムアルデヒドの濃度が示すように,発散量は少ないことが数値で証明されました.アセトアルデヒド濃度も低ければ,完璧だったんですがね...いずれ,再挑戦したら,今度は飲んでない時にセットしてみます.

 その後,少し聞いてみましたが,先ず,測定値が1桁違うことは有り得ないという説明でした.言及はされませんでしたが,アセトアルデヒド濃度だけが高いのは,建材の要因では無いと考えられるのではないか?と言うニュアンスでした.別に私が飲んでいたと言いませんでしたが,やはりアルコール(料理などでも出るそうです),タバコ,化粧,芳香剤などが要因になり得ると言う見解を示されました.後ろの3つが否定されると,残りはアルコールでしょうかね?!いずれにしても,冬にもう一度測定のチャンスがありそうです.その時をお楽しみに!

 11月の末に追加調査が来ました.即実行してみました.手順は前の通りなので,即実施しました.2004年の1月に結果が戻ってきました.

分析項目

実測値

厚生労働省の指針値

ホルムアルデヒド濃度

0.02 ppm

0.08 ppm

アセトアルデヒド濃度

0.06 ppm

0.03 ppm

トルエン濃度

<0.01 ppm

0.07 ppm

エチルベンゼン濃度

<0.01 ppm

0.20 ppm

キシレン濃度

0.04 ppm

0.88 ppm

スチレン濃度

<0.01 ppm

0.05 ppm

 分析は(財)ベターリビングが前回と同じ手順でやったと思います.

 実測に関しては

2003年11月25日午後10時15分〜2003年11月26日午後10時15分

前回と同じ場所(リビング)

環境は普段通り(24時間換気を弱でまわしたまま,窓の開放はなし)

室温は19℃,湿度は68%

 結果はご覧の通りなのです.評価としては,ホルムアルデヒドとアセトアルデヒドが1/3に下がっています.これは,既に竣工から一夏を過ごしたので,放散したのと,温度の効果が効いていると思われます.一方でキシレンが上がっていますね.ホルムとアセトが同じような動きをしているのが気になります.温度効果が大きいせいでしょうか?!

 うちの場合,アセトアルデヒドは厚生労働省の基準値に達していません.因みに,今回は測定者は飲酒を控えました(笑).その他は,非常に良いできだと思うのですが,やはりアセトアルデヒドだけは,高いようです.「アセトアルデヒドは自然素材である木から多量に放散する」と言う情報もあります.例えば,木酢液を作る時に,木材を乾留する方法がありますが,その時に放散されるようです.現状で想定されるアセトアルデヒドの高濃度は,無垢材からの放散と言う可能性を否定できないと思います.もし,このページを工務店さん,あるいはKSKの方が見られるような事がございましたら,今後のために,パイン無垢材のアセトアルデヒド放散量を調べておいた方が良いと思います.もしかすると,うちだけの現象で,建築材には問題がないのかも知れませんし(ウッドハウスで竣工後の夏あたりに測定してみるのが良いと思う),断定的には書けませんが,ホルムアルデヒドのような規制がかかるとすれば,木材も規制されてしまう事になりかねません.

 因みに,「WHO(世界保健機関)が室内空気質ガイドラインの1つとして公表しているアセトアルデヒドの指針値に間違いのあることが,林野庁の指摘で明らかになった」と言うニュースが昨年の11月頃ありました.WHOは、アセトアルデヒドの許容濃度を「50μg/m3」としてきたが(厚生労働省の基準は48μg/m3;これが0.03ppmの根拠),林野庁が根拠データを調べたところ,「300μg/m3」であることが判明.WHO本部から「数値の訂正を行う」との回答が届いた,と言うものである.厚生労働省は数値の算出は独自にやっているので,改定するつもりはないらしい.仮にアセトも規制するとして,木材メーカーや林野庁は厚生労働省の基準値をそのまま認めるとは到底思えない.WHO基準値が6倍になったので,6倍が妥当か?!とすれば,1回目の測定結果も基準値内に入り,問題ないように思える...今後の動向に注目しよう!

 と言うことで,無垢材の内装だから,ホルムアルデヒドがゼロになるわけではないことが分かった.しかし,問題になるような数値がでないことも確かだと思う(アセトだけは,今後の規制状況に注目が必要).できれば,気密測定のように工務店さんが引渡のときに独自に測定して,数値で渡してくれると良いと思う.

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