17.公庫融資住宅の仕様

 自分の建築と同時期の公庫融資を受けた住宅の仕様がありました.そこで,少し比較してみようと思います.同時期だけに,これを見れば,コストパフォーマンスが見えてくるかも知れません.なお,正確な仕様はご自身で住宅金融公庫のHPで確認してください.それと,○×表には,私の独自の良し悪しの基準が織り込まれていますので,場合によっては逆に判断できる事もあるのをご了承ください.

最終更新日2004年4月25日

公庫融資住宅の仕様

マイホーム新築融資 平成14年度第1回〜第4回の申込物件に関する仕様調査の結果がありました.うちは,債券の分での融資なので,上の回数には入っていませんでしたが,一度,調査の依頼が来て,荒井さんにお渡ししました.従って,そのアンケートに答えてくれていれば,うちのデータも入っていたと思います.興味深いので,ここで比較表を作ってみることにしました.

項目

○×

コメント

1.住宅の属性

1.住宅の面積

全国平均 138.2m2

関東の平均 140.9m2

首都圏を除く関東は全国平均より大きいんですね.うちは両方クリアーです.因みに,11年度の全国平均は145.6m2になっていて,家が小さくなったのが分かります.これは,私のような人間でも一戸建てが持てるようになったからでしょうね.

2.工法

在来木造(61.7%)

プレハブ工法(20.7%)

枠組壁工法(2x4)(13.4%)

在来鉄骨造(0.4%)

在来RC造

その他

在来木造が多いのですが,その割合は徐々に減少して,枠組壁工法が増加しているようです.何となく,分かる気がします.また地域別では,北陸,九州,北海道が在来木造が高い割合です.近畿はプレハブ工法が異様に多いですが,これか地震の影響ですかね?

3.地上階数

2階建(90.9%)

3階建(5.3%)

1階建(3.7%)

まあ,何も考えずに2階建てでしたが,土地の大きさによっては,1階建てなんて選択もありでしょうか.因みに,3階建ては,在来鉄骨造や在来RC造に多いようです.

4.建築費

全国平均2479万円(11年度は2596万円),在来木造2339万円です.在来RC造の平均は2885万円です.

うちの場合,これよりは安く仕上がりました.皆さん,リッチなんですね.

2.個別項目

1.構造に関する項目

1.基礎の構造

布基礎(36.5%)

べた基礎(60.4%)

その他(3.1%)

平成11年度では布基礎の方が52.1%でべた基礎の方が41.9%でしたが,完全に逆転しています.

2.基礎の高さ

地盤面から基礎の上端までの高さ

全国平均444mm

北陸や北海道のような積雪地域では500mmを超えている.

×

内部布の高さは400mmなんですが,GLからも同じだと思います.床下点検なども考えると,理想的にはもう少し欲しかったかも.

3.床下防湿措置

防湿土間コンクリート打(11.7%)

防湿フィルム敷き(21.8%)

防湿土間コンと防湿フィルム敷き(24.8%)

RC造のべた基礎(37.6%)

その他(4.1%)

おそらく,RC造のべた基礎に入っているんだと思います.

4.床下妨蟻措置

RC造のべた基礎(38.5%)

布基礎と鉄筋により一体になったコンクリートを打設(12.1%)

妨蟻薬剤による土壌処理(37.3%)

その他(12.0%)

RC造のべた基礎ですね.薬剤の土壌処理というのが結構あるんですね.土壌処理してないと言うことで○にしましたが,シロアリ嫌だと言えば,逆ですかね.

5.床下換気措置

有効換気孔を間隔4.0m以内にごとに設置(37.2%)

ネコ土台によって床下換気孔を確保(49.5%)

基礎断熱工法で施工のため設けていない(5.1%)

床下空間がないため設けていない(1.4%)

その他(6.7%)

うちの場合,基礎断熱工法で施工のため設けていないになります.5.1%ですね.換気もしているので,○にします.

6.通し柱の寸法と樹種

12cm角が90.6%でスタンダードです.15cm角超は0.3%だそうです.

樹種は集成材が38.7%,ヒノキが34.3%,次がスギの17.6%となっています.

11年度には10.5cm角も5%以上でしたが,2.3%に減少しています.

7.管柱の寸法と樹種

10.5cm角が63.8%,12cm角が34.8%となっています.

樹種は集成材が45.0%,スギが27.3%,ヒノキが21.2%の順です.

うちは12cm角になっています.平均は超えているという判断ができます.

8.すみ柱の寸法と樹種

12cm角が92.6%を占めています.10.5cm角が4.8%ありますね.

樹種は集成材が,43.6%,ヒノキが25.5%,スギが23.7%となっています.

うちは全部12cm角ですので,この辺は普通〜ちょっと良い方ですね.

9.土台の樹種

防腐・妨蟻処理土台(40.9%),ヒノキ(29.0%),米ヒバ(13.9%),ヒバ(8.1%),米ヒノキ(1.0%),その他(7.2%)

地面から高さ1m以内の部分の防腐・妨蟻の薬剤措置は76.8%が行なっているようです.

どれが良いのか分からないので,評価なし.うちはヒバの集成材です.おそらく米ヒバなのではないかと思います.薬剤処理していないと言う意味では○をつけてもとは思いますが...

10.外壁の構造

大壁構造(外壁内通気措置)(58.8%),大壁構造(通常)(34.3%),真壁構造(1.4%)です.

関東と近畿では真壁構造が2%を超えています.

これは,最大の特徴とも言えます.

11.小屋裏換気孔

87.1%が設置している.屋根に断熱材を施工しているため設置していないのが10.9%でした.在来RC工法は55.6%が設置していないんですね.

小屋裏を使える構造である.

2.断熱性に関する項目

1.断熱材の施工方法

充てん断熱工法(65.3%),外張断熱工法(21.2%),その他(13.5%)です.地域別には九州の外張断熱工法が30.9%と群を抜いています.

また,真壁構造では31.0%が外張断熱工法を採用しています.

どちらが良いかは,御判断ください.私は,外張断熱工法に○をつけます.外張断熱工法は,真壁にするためには,必須の様な気がしますね.

2.窓のサッシの枠

アルミ製(又はアルミ製二重)が71.1%,アルミ製とプラスチック製の二重が12.5%,プラスチック製(又はプラスチック製二重)8.4%,木製3.0%となっています.北海道では,プラスチック製(又はプラスチック製二重)が85.3%に達しています.

アルミ製の枠は減少傾向にあり,次第にアルミ製とプラスチック製の二重枠が増えているようです.

3.窓サッシのガラス

複層ガラス(61.2%),ガラス単板と複層ガラスの二重構造(18.1%),ガラス単板(13.1%),ガラス単板の二重構造(5.1%)となっています.

うちはトステムのシンフォニーという商品で,複層ガラスになっています.空気層12mmの複層ですので,平均的ですね.

4.屋根又は天井の断熱材(壁,床は割愛)

グラスウール(58.9%),ロックウール(21.5%),ポリスチレンフォーム(6.1%),セルローズファイバー(4.1%),硬質ウレタンフォーム(3.7%)です.在来木造の硬質ウレタンフォームは3.8%です.在来RCでは,硬質ウレタンフォームが72.7%となっています.

断熱材の○×は,見る人が御判断ください.ウッドハウスの売りの部分でもありますので,一応,○にしておきましょう.なお,壁や床もありますが,同様ですので,割愛します.

5.気密住宅の有無

いいえが52.5%ではいが47.5%です.平成11年度ではいいえが56.3%ではいが43.7%でした.

徐々に気密住宅が増えていると言えます.プレハブ工法の85.4%が気密住宅になっています.

3.バリアフリーに関する項目

1.主な洋室の出入口の有効幅員

750-800mm(49.4%),750mm未満(29.6%),800-850mm(13.4%),850mm以上(7.5%)で平均は766mmです.在来木造は平均的,在来RC造は広い傾向があるようです.

うちには,出入口がないのですが,洋室に扉のついている有効幅員を測ると,830mmと狭い方でも790mmくらいはあります.

2.廊下の有効幅員

780-800mmが30.9%,850-900mmが21.0%,800-850mmが18.2%とほとんどを占めているようです.平均値は853mmです.在来木造では750-800mmが多いようです.因みに,在来RC造では,950-1000mmが最多になっています.

×

うちには廊下もないのですが,敢えて測ると,810-830mmくらいで,平均以下です.なお,ウッドハウス標準のメーターモジュールを使えば,もっと広かったと思います.

3.階段の有効幅員

平均が854mmです.780-800mmが28.1%,800-850mmが20.6%,850-900が21.2%でこの3つでほぼ60%に達しています.

×

うちの階段は,約800mm(狭いところで)くらいです.これもメーターモジュールを使えばもっと広いんでしょう.

4.踏面の寸法

平均が219mmです.195-210mmが24.3%,210-220mmが25.4%,220-230mmが22.5%で,これだけで60%超えています.この辺が標準と考えます.

うちの踏面の寸法は220mmです.鼻の出(上の階段の出っ張り)30mmで作ってあるようです.

5.けあげの寸法

平均は200mmで190-200mmが増加しつつあるようです.200-210mmが35.7%ともっとも多く,190-200mmが29.7%,210-220mmが17.7%になります.

踏面寸法とけあげ寸法からの基準金利適用基準(バリアフリータイプ,階段の基準)があり.

うちのけあげ寸法は200mm(実測するとやや低い感じです)ですので,平均以上と言えますね.4,5を考慮して,うちのは基準金利適用基準を達しています.当然,天井が高い分だけ,段数が必要になります.

6.手すりの設置箇所

階段は91.9%,浴室は86.1%,便所54.9%,廊下5.6%,玄関31.2%です.

×

うちは階段と浴室のみです.便所に半分以上の家庭で手すりを設置しているんですね.意外と多いのに驚きました.

7.浴室内の手すり

2箇所が54.1%,1箇所が25.1%,3箇所が17.2%,4箇所が3.0%となっています.設置箇所は浴槽側部壁面(78.7%),浴槽縁の延長線上の壁面68.1%です.

平均的と言う感じです.あまり考えませんでしたが,日立のユニットバスは標準装備のようでした.

8.浴室の出入り口の幅員

平均は742mmです.650-700mmが28.1%,750-800mmが25.4%,700-750mmが20.5%となっています.40歳を境界にして,平均値以下と,以上に分けられます.この辺は,やはり意識の違いでしょうか.

×

うちは650mm弱ですので×にしました.永田さんからは,お金が許すなら,ユニットバスの扉は広いのにした方が良いと言われました.後々変えられませんので,考えるべき項目ですね.

9.浴室の出入り口の段差

段差はない(81.6%),20mm以下の段差(14.9%)です.

うちも段差無しです.

10.浴室の有効面積と浴室の短辺の内のり

平均で3.3m2です.2.5-3.0m2は58.4%で半分以上,3.0-3.5m2が27.1%になります.

短辺の内のりは,1600-170mmが74.9%で,1700-1800mmは8.1%,1800-1900mmが7.1%を占めます.

浴槽は広めにしていますので,平均以上です.

11.居室,便所,洗面所と廊下の間の段差の有無

99%が段差は解消されていると答えているそうです.

アンケートから見ると,段差のある家はほとんどないということですね.

12.寝室階の便所の設置

91.4%があると答えています.

寝室階にトイレがないとやはり不便かも知れません.

4.屋根に関する項目

1.屋根の形状

寄棟が43.6%,切妻が42.6%で86.2%のシェアを占めます.おもしろいのは,平成11年度から見ると,切妻が増えている点です.このままだと,切妻逆転も時間の問題かも.なお,木造軸組だと,47.8%が切妻で寄棟の43.6%を上回っています.

敢えて,評価の根拠もないので,そのままです.この辺は好みの問題かと思います.うちの場合は,切妻です.

2.屋根の勾配

5/10が40.5%,4/10が22.1%で,それ以外は6/10〜7.5/10が9.7%で急な方が多めです.因みに積雪地域の勾配は低くなっているようです.

一応,○にしておきました.あまり根拠はありません.この辺は,地域に合わせて作るべきなんでしょうね.うちの場合は,勾配天井なので,少しでも解放感を出すために6/10になっています.

3.屋根葺き材

粘土瓦(洋形)34.4%,屋根用化粧ストレート瓦21.6%,金属板14.6%,厚型ストレート瓦(洋形)11.0%,粘土瓦(和形)8.2%,厚型ストレート瓦(和形)0.8%,その他9.4%です.北海道では92.2%が金属板を使っています.積雪に備えて,屋根を軽くするんでしょうか?

在来木造の場合,39.0%が粘土瓦(洋形),19.8%が化粧ストレート瓦,14.1%が金属板となっています.

×

うちの場合はガルバリウム合板ですので,金属板になるんですかね?!ここでは,一応×にしておきました.好みの問題なので,敢えて言いませんが,やはり和風瓦は高い,ただし,重いのでうちでははじめから採用の予定はありませんでした.

5.健康に関する項目

健康に配慮して講じている措置(複数回答)

フローリングの選定84.2%

接着剤の選定と施工83.8%

合板,ボード類の選定83.5%

壁紙の選定75.2%

木材保存処理と妨蟻剤の選定と施工55.7%

換気計画52.6%

塗料の選定と施工49.4%

畳の選定37.7%

造り付け家具類の選定25.9%

クロルピリホスを使用していない25.1%

ホルムアルデヒド吸着剤,洗浄機23.7%

その他2.4%

これは,ウッドハウスが一番気にしている項目なので,○にしました.左記のとおり,皆,ある程度は考えていますが,具体的にどの程度かが分かりませんので,比較は難しいと思います.おもしろいのは,フローリングについて,84.2%が健康に配慮していますが,おそらく,これは無垢のフローリングにしているという意味で理解できます.理由は,一番目に見える配慮であるからです.ところが,ウッドハウスでは,標準で全面無垢貼です.しかも,ワックスも無塗装剤を入れて,アウロを使うのが標準です.さらに,床貼りも施主自身ですれば,如何に安全かは比較するまでもないような気もします.

あと,ホルムアルデヒド吸着剤,洗浄機を使うというのが,あるんですね.サンゲツの壁紙には,確かホルムアルデヒドを吸着する壁紙がありました.洗浄すれば,きれいなるもんなんですかね?ちょっと興味ありです.

[back] [home] [BBS]