KOコラム

 時として,とっても偉そうに,でも時としてお笑い話を...そう言うコーナーも必要かと思い,書きますね.

最終更新日2005年11月7日

ウッドハウスについて

 これが,私の作る家づくりです.はっきりわからないところも多いのですが,KSKと言う会社が中心になってやっているフランチャイルズの一種です.KSKは建築資料研究社の略です.茨城,埼玉,栃木,群馬などの生協がここと提携してこのウッドハウスを売っています.私のお願いしたライフプロジェクトはその1社と考えれば良いと思います.

 ウッドハウスですから,キーになるのは木です(笑).木造の軸組み工法一般に言えることですが,間取りの変更が容易にできます.つまり,建築時はオープンなスペースを多く作っておいて,将来的に壁を付けようと考えることが出きるわけです.そして,その構造を支える耐力壁と言うものを用います.一般的な軸組み工法では筋交いが用いられますが,筋交いは力のかかる方向によって,そのバランスが保てなくなるそうです.そう言う意味で,耐力壁をきちんとバランスよく配置することで,地震時にかかる揺れに強い構造を作るそうです.また,梁や通し柱を支えるのはKS金物と言われる,金物を使います.これは,プレカット材を持ってきますが,わずかに加工しただけで柱を建てていくことが可能になります.強度は従来の羽子板ボルトの引張耐力の7.2倍になるそうです.そう言う意味では,構造は非常に強くできます.その構造材が,外張り断熱で腐りなどを発生させずに,長期に渡り建築当初の強度を保てれば,地震にも強い家が完成できると思われます.

 基礎はベタ基礎シングル配筋を標準としており,土台,大引きも120*120mmの集成材を使います.集成材は好き嫌いがあるかと思いますので,ここでのコメントは避けます.ただし,細かい部分は施工する工務店さんによって違うようです.例えば,断熱材の基礎への貼り方ですが,ライフプロジェクトでは外の基礎の立ち上がりへ付けるようですが,標準では土間へ断熱材を付けるようです.また,立ち上がりの厚さなども違います.ただ,ライフプロジェクトでは,希望とお金を出せば,こちらの要望に答えていただけると思いますので,工務店さんと細かい部分は話し合うことが大事です.

 もう一つ大きな特徴ですが,内部建材は天然の無垢材を使います.つまり,化学物質をできる限り避けようというものであります.ノーマル状態で,床は厚さ15mmのフローリング,壁は厚さ12mm,天井も同様の無垢材を貼ります.しかも,真壁(しんかべ)と言って,梁などの構造材を家の中に見せる作りです.大壁と言うのは,部屋の内側に柱はでません.真壁の内装によって,部屋が少しでも広く感じますし,屋根も高さが強調されます.しかも,これらがセルフビルドで施主が自分でできるというのも特徴です.少しはトライしてみたいと思っています.

 なお,もっと詳しくウッドハウスを見たい方は,メイルで連絡ください.何らかの対応をさせていただきます.ちゃんと名乗ってさえいただけば,建築現場を見にくるのも歓迎です.

気密と断熱について

 高気密住宅,高断熱住宅と言う言葉は良く耳にします.一体,本当に必要なのでしょうか?これに関しては人によって考えが違います.私の友人でも,中気密が良いという人もいます.私自身は,それを論破できる知識もありません.ただ,エネルギー効率を高めて,快適な生活を送る(どの部分を快適と言うかも問題ですが)ためには,気密を高めて,計画換気をするべきだと思っています.また,換気という概念の必要性は,今まで強く感じていませんでしたが,快適さを生むならば必要性は高いと思います.つまり,自然状態での空気の動きは,予想できません.で,計画的に換気をさせるためには十分な気密が必要であると考えます.すかすかの家の中を換気しても,予定通りには空気は動いてくれません.

 さて,そもそも家に住むということは何なんでしょう?そこにはちょっとした快適が必要なんです.だからこそ,快適に暮らすために何が必要かを考えるわけです.私の実家は古い良き家です.太い柱を使い,通気性の高い家で,家の中のカビと言うものの存在はありません.まあ,これを言い換えると,気密性の低い,断熱性の低い家と言うわけです.でも,その中に暮らしていて,不快感はほとんどありません.冬の寒い時期はストーブや堀炬燵でみんなで集まってミカンでも食べながら暮らしていました.これって,ちょっとした快適なんです.これは,けして駄目な家ではありません.でも,冬は寒くて,お風呂から上がった瞬間に寒いと感じたり,暖房無くして眠れません.そう言う意味で,今の建築技術が快適さをもたらしてくれるなら,試してみようと考えました.

 と言うことで,私の中では気密と断熱を高めるのは,やはり悪いことではありません.しかし,その場合は構造を十分に考えて上げる必要があります.気密をどの位置でとり,構造材がどの位置にあるかは,やはり家の重要なポイントとなります.家が腐るという現象が問題になっているのは,気密を高めたことにそもそもの原因があるわけです.風通しが良い,常に空気が流れる環境では,カビなどが発生することはないわけです.断熱材を厚くして,家の中と外に温度差を作るから,結露が生じてカビが発生します.これは,極当たり前の現象です.構造材を用いて家を建てて,その外側に断熱材を貼り付けると言う,外張り断熱の方法というのは,家を支える重要な部分を常に私たちと一緒に置いて暮らせるという意味で,極めて安全な方法と考えて良いと思っています.構造材は通気を十分にして,乾燥した状態を保ちたいものですね.断熱効果も経年変化しないものを使いたいものです.

断熱について

 良く高気密高断熱と言うのを高高住宅と一まとめにしますので,同じ意味で捕らえられがちですが,当然のことながら違う言葉です.気密は例えば,気密シートでくるんであげて穴を開けなければ,息のできない家は作ることができます.断熱は熱を通さないことであり,冬の寒さを家の中に入れないとか,夏の暑さを入れないと言うことになります.それを実現するために断熱材を入れるわけです.最も一般的な断熱材はグラスウールと呼ばれる断熱材です.これはガラス質の繊維であると思います.うちで使うアキレスボードは,硬質ウレタンボードです.屋根を50ミリ,壁には40ミリのものを使います.ところで,これらの断熱材とは一体何者でしょうか?簡単に言うと熱の伝わりにくいもので家を覆ってあげる事が,断熱なのです.熱の伝わりにくい物=熱伝導率が低い物と言うことになります.熱伝導率はW/mkで表示されますが,値の低いものの方が効率の良い断熱材と言えます.簡単に考えると,熱伝導率の高い鉄製のマグカップと,陶器のマグカップを考えると良いでしょう.どちらが,熱いものを持つのに適しているか,お分かりいただけると思います.この熱さを伝えないという事が非常に大事なわけです.

 さらに,比較しようという考えを持つと,熱抵抗値Rと言うのが分かりやすいと思います.これは,断熱材の厚さ(メートル)/熱伝導率(W/mk)で表されます.この値が大きいほど断熱効果があると言えます.グラスウールの10Kと言うのが0.050の熱伝導率であり,硬質ウレタンが0.024の熱伝導率とすると,グラスウール100mmで施工した熱抵抗値は2.00となりますが,硬質ウレタン50mmで施工した場合の2.08とほぼ同等(多少落ちる)の熱抵抗値と言う計算が成り立つわけです.外張り断熱の断熱材は厚くできない言う欠点もありますが,薄くても同等の性能(あるいはそれ以上の性能)を出すことができるわけです.

熱伝導率を比較すると,天然木 0.12,合板 0.16,セメントモルタル 1.5,軽量気泡コンクリート 0.17,アルミ合金 200,鋼材 53,だそうです.多少の違いはあるでしょうが,概ね断熱材の意味合いがお分かりいただけるのでは,ないでしょうか?断熱材選びは,素人にはたいへん難しいものになります.良く,工務店さんと話してから決めましょう.あるいは,断熱方法については,工務店さんによく確認しましょう!そうしなかったら,本当の高気密高断熱は体験できないと思います.

ソーラーサーキットについて

 私にソーラーサーキットそのものを教えてくれたのは日研さんという工務店さんです.これはカネカと言う化学製品のメーカーがやっているフランチャイルズです.先ずは外断熱2重通気工法と覚えてください.最近,太平さんで提携してやっているようですし,2重の通気をいろいろなメーカーさんが考えています.ソーラーサーキットはダンパーを付けて,夏と冬で空気の流れを変えます.これは,夏に窓を開けるようなものですので,極めて理にかなっていると考えます.話せば長ーい長ーいお話です.適当におつき合いくださいね..

 四季の移り変わりというのは私達には楽しみでもあり,情の世界です.これは自然空間にはこくな時があります.岩石がどんどんと割れていくことを風化と言いますが,物理的な気温差が非常に大きな役割を果たします.また雨水やその水が凍るという現象があの山をも崩していくのです.ましてや人間の作った建造物が四季の温度差や多雨に本当に耐えられるのでしょうか??おそらく,難しいですね.

 さて,次に外張りでも充填でも良いのですが,家を外気から完全に遮断した場合を想定してみましょう.こうしなければ,本当の意味の高断熱は出来ません.空気が入れ替わったりしたら家の内部に作られた暖かさは外へ逃げてしまうのです.逃がさなければ気密性が高いわけです.まさに大きな魔法瓶,ビニールハウスなどですね?あなたは,魔法瓶のなかで暮らすのを想像したことがありますか?どうでしょうね?!そんなわけで,換気システムの登場です.換気しない家づくりは有り得ません.気密性と換気というジレンマがあります.もう一つ,ソーラーサーキットのシステムで重要視されているのが通気性です.壁内の通気システムが結露を防ぎ,建物の状態を保たせるのに役立つという概念からでてきています.その2つの空気の流れが二重通気工法と言うことになります.

 そもそも,何故,これだけソーラーサーキットにご執心かと言えば,やはり嘘も隠しも無く松井さんの書いた「いい家が欲しい」がきっかけであります.この本は宣伝通り,家を既に建ててしまった人は読まない方が良いですね.何故かと言えば,松井さんの口調が,従来型の断熱工法に対しては,相当批判的であるからです.これは松井修三さんという方の論調だと解釈すべきです.著書では今までの読者の視点とは違う観点,つまり断熱と言う難しい観点を,素人でもわかるように書いてくれているところが,この本の凄いところです.第1点は,内断熱は危ないよと言う事,そして日本に風土にあった家づくりは木の家づくりであること.その気候には四季プラス梅雨と秋雨があり,家も衣更えをしてあげましょう.そして,家の寿命を延ばすためには構造材に通気して常に腐りやカビを防ぐこと.一方で生活空間の換気も必要であること.それらを実現できる工法がソーラーサーキットであるということです.読むとなるほどと思わされます.また,その構造自体,実際に大変合理的にできていることも事実で,やはりソーラーサーキットは現状考えられる工法では優れていると言えそうです.完璧なものという意味ではありませんので,その辺はお間違えないように!特に,化学物質云々の文章に関しては,全く持って企業贔屓を感じました.完全にその時点でソーラーサーキットの宣伝本になってしまったわけです.いずれにしても,松井さんと言う著者は非常に辛口に批判するタイプであり,読み物としてもおもしろいと思えることを,ここに書いておきます.

 ソーラーサーキット自体は先ずは外張り断熱工法の高気密高断熱住宅であることは間違いありません.そして,普通の外張り断熱のように基礎部分を完全に閉じるのではなく,ダンパーと呼ばれる開閉可能な穴をあけておきます.そして,小屋裏にもダンパーをおき,夏の間はそのダンパーを開けるというシステムです.これによって,断熱材の内側に通気孔ができます.その壁内は断熱材の両側に空気が流れるようにしてあるわけです.高気密の住宅ですので,当然のことながら24時間の換気システムは必要です.ただし,夏のダンパーを開放した状態では気密性は保たれておらず,24時間の計画換気は無意味な空気の出入りがあるであろう事は容易に想像ができます.と言うことで,うまく窓の開閉やエアコンを使って,建物の中の温度が上がらないようにすれば,夏も快適に過ごせることは間違いないかも知れません.冬は高断熱ですので,問題なく快適な温度が保てるものと考えます.詳しくはリンクから,ソーラーサーキットのHPへ行って,ご自分で確かめてみてください.

エアパスについて

 エアサイクルと言うものがあります.福井県のフクビと言う会社がやっています.いくつかの支流があるようで,その辺の意見がわかれていて,本当の歴史はきちんと調べないと分かりません.とにかく,パッシブソーラーと言われる,受身的に太陽光を使う建物です.PAC(ピーエーシー)と言うのもありますが,こちらはどこが中心になってやっているのか分かりません.因みに,アクティブソーラーと言うのは,パネルを乗せて,太陽光を電気に代えたりするものです.

 さて,エアパスというのは,このエアサイクル工法の支流と考えます.微妙に特許とか諸々がかかるので,多くの支流がでてきていると考えます.福島県の四季工房と言うところが中心になってやっているようです.従って,今のところ北関東近辺でしかお目にかかれない工法です.

1.エアパス工法はMDF外張り工法,2重通気層であること

2.その中でも通気に関しては自然通気でやるところ

 つまり,機械換気を行わない工法というのが特徴です.今のところ,私の理解しているのは南北の壁内の温度差,それに伴う空気の循環を利用して,壁の中の空気の動きを制御していると考えます.基本は温度差と言うことになりますね.高温になると空気は上に登るのを利用するわけです.これは通気であって,換気とは違います.換気はこの通気層に向けて100個程度取りつけるダンパーと言う穴によっています.その動き方によって,空気の通路方向を変えてあげる働きがあるのではないかと思います.さらに,換気口の開け閉めで夏と冬の空気の流れを変えてあげるのです.この辺はソーラーサーキットと似ています.エアパスダンパーは金具ではありません.スチロールのようなものを入れています.風が吹けばぱかぱか開閉するようなもので,何となく子供のおもちゃの世界です.そう言えば,エアパスの資料にこのダンパーの風圧実験をわざわざしていたのを思いだし,その強度を実験していたんだとはじめてわかった次第です.確かに,風でぱかぱか動くからこそ意味のある蓋と言えそうです.仮に,冬に換気口を閉めていると,おそらく風がちゃんと流れず,それによって部屋の中の換気も十分に行われないのではないかと思いますが,その点もちゃんと計算してやっているようです.

 エアパスは基本的には外張り断熱ではありません.MDFと言う合板を外張りしていますが,その内側に板状の断熱材があり,柱の合間は断熱材が切れています.カタログとかが大変紛らわしく(後で見直すと,MDF外張りと書いてあるんですよ),初めは外断熱で二重通気層を持った家と思っていましたが,違いました.ある程度は断熱をされており,冬も夏もそこそこ過ごしやすいというのがそのコンセプトのようです.正直言って,高気密が本当に良いのか迷いがあるだけに,この方式は一つの選択肢と言えそうです...しかし,労多くして...と言う感じで,きっちりと断熱材を貼り付けていくわりには気密性が低く,大工さん泣かせな工法かも知れません.特にダンパーをきっちりつけていくのは楽な仕事では無さそうです.MDF合板が家の構造を強くするものと思われ,その点も良いかも知れません.

 あと,間取りを非常に重視している点は,たいへんよいと考えます.自然換気で窓を開けて換気ができるように考えること,そして無駄な廊下を無くすように指導しているようです.エアパスを十分に勉強した設計士のいる工務店は良いと思います.

外張り断熱について

 外断熱の工法は,断熱材を家の外壁の中張り巡らせるので,外張り工法と言うわけです.内側だと柱などがあり,全部を断熱するのが難しい.ただし,木造住宅の構造材である木もある程度の断熱効果がありますので,充填式の断熱でも断熱は可能です.ただし,外側に張り巡らせれば,すっぽり包めるわけです.断熱材で家を包むのがそのイメージです.それでも,基礎部分から小屋裏まで全部を同じ断熱材で包むには,それなりの技術が必要らしく,屋根だけ別のものを使うメーカーも多いそうなので,気をつけましょうね.単に外を断熱材で包むと言う考えですので,外断熱という言葉にだまされてはいけません.ご自分の目で良く確かめるしか無いわけです.で,外断熱の工法の弱点は手間と工賃がかかるという事,また構造的に外壁が弱くなることもあるそうです.良く理解しないと,数十年と言う寿命が意外と短いということも起こり得ます.

 なお,内断熱,外断熱という言葉が一般に出回っていますが,木造住宅では正確な言い回しではないようです.充填断熱とでも言うのかな?グラスウールやロックウールを詰め込んでいくわけです.家の中の居住空間のまわりにこの様な断熱材を充填するように使っています.もともと,日本の住宅は断熱材がなく,隙間がたくさんある工法でした.気密性を高めるには,なるべく小さな空間をすっぽり包めばよいというのが常識でしょう.ただ,考えなくてはいけないのは,隙間風(通気)は木材の腐りを予防し,家を長持ちさせ守ってきたと言っても過言ではない事です.気密性と言う言葉はどうも北海道のような寒い地域からでてきているようです.冬に気密性を高めるには,断熱材を厚くしておけば良いのですが,それによって,結露という現象が生じます.結露はある程度の湿気があり,温度差を作れば必ず生じます.夏には逆結露と呼ばれす現象が起こります.だから,断熱材の配置は凄く大事なはずです.また,日本には梅雨と言う極めて特殊な気候もありますし,夏でも凄く蒸し暑いです.良く聞く,輸入住宅で北欧の家は暖かいのだと言う言葉,これを日本の気候に適応できるのかどうか?また,良く問題になるのはグラスウールなどが湿気を含みやすいというところです.グラスウールはシリカの繊維質なものと考えれば良いようです.

 こう言った問題が様々ある以上,別の断熱方法を考える必要があり,そこで出てきたのが外張り断熱と言うことです.ただし,関東以南の地域では,そこまでする必要がないと言われます.ただし,上にも書いたとおり,計画換気をきちんとするためには,気密を高める必要があります.隙間風が入り込んでくるような家で,計画換気はできません.家の中の空気を思うように動かしたければ,高気密(しかも公庫基準よりはるかに高い気密値)が必要と言うことです.そうなれば,やはり関東以南でも気密が必要で,家の健康を考えれば,外張りを使うというのが,私の中では常識的な結果と言えます.もちろん,否定する意見もあるでしょう.

健康住宅とは何か?

 蔵持工務店さんのセミナーというのがあって,エコハウスとか健康住宅について本を書かれている中野 博さんの話を聞くことができました.今のご時世,健康住宅を建てるのは,本当に難しいことと考えます.ただ,シックハウスはいつ誰の上に降りかかってくるかわかりません.そして,折角買った新築住宅が凶器となってしまったら本当に悲しいわけです.その点を,よく考えてハウスメーカーを選びましょう.危険は新建材やクロス,プラスチック,接着剤などの化学製品.それから,カビ,ダニなどによってもアトピーやアレルギー疾患がでます.

 中野さんのセミナーを聞いたのは2002年の春前くらいでしたが,そこで仰っていた話で,極めて重要と思われたのは,このシックハウスの問題は,建築業会全体に次第に浸透しつつある(特に施主側に).だから,今のうちに危ない建材を売り払ってしまおうという考えのハウスメーカーも存在するそうです.そうすれば,とにかく今のうちに売ってしまおうとダンピングが起こるわけです.つまり,格安住宅が何故に格安なのかを考えなくてはならないということです.確かに,言われてみれば,納得できる節もあります.悲しいかな,その様な家を建ててしまって,シックハウスで苦しむことにならないように,良く調べましょうね.さらには,カビやダニの発生しにくい構造を作ることも施主は考慮しなくては行けません.

 ただ,実際問題は難しそうですね.何に注意したとしても,結局は身の回りには危ないものがたくさんあるわけです.ベストを尽くすこと...後は運なのかな?もともと強い体質というのも運ですよね.

 シックハウスについて,考えるとき化学物質過敏症やアトピー性皮膚炎と完全にマッチするものではないことは,ちゃんと覚えておきましょう.いろいろ定義はあるんでしょうが,家を建てたときの化学物質だけでなく,カビやダニの生物汚染もあります.で,化学物質汚染によるシックハウスが原因で化学物質過敏症になることがあるようです.化学物質過敏症になると,町を歩いていても,化学物質に過敏に反応してしまう事が起こり得るわけです.完治までには,相当の時間を要すると考えられ,大変な病気であることは確かです.

 ここでは,健康住宅と言う表現にしましたが,実際は健康に考慮した住宅とでも言うべきでしょうね.いろいろな化学物質が存在するわけで,ゼロと言うのはないんだと思います.

住宅ローンで思うこと

 住宅金融公庫の廃止によって,金融状況は大きく変わっていきそうです.ご存じのように,国家予算枠は前年度中に決まりますが,公庫の予算枠も概ね財務省との間で決まってしまっていると思われます.そう言う中で,明らかに貸付事業を削減しているわけです.まあ,本来廃止になるから当然と言えそうです.貸付事業も数,額共に落としつつあるのが現状です.また,民間との連携も始めていますので,いよいよ覚悟はできているものと思います.その一方で,やはり公庫は独自の必要性を強調しているというのも確かです.これは,住宅金融公庫のHPなどで,見ることができます.何故,公庫が必要なのか考えましょう.

 私の思っている公庫像は決して低金利を実現している価値観ではなく,むしろ住宅建築に一定の基準を打ち出す国家の取り締まり役と考えます.もし,そうであるならば,住宅金融公庫はなくなってはいけない存在でしょう.実際に公庫基準と言う言葉が飛び交うのは,その値が意味のある値であることを証明しているわけです.これまでも,住宅業界に一定の基準を打ち出してきたと考えるべきでしょう.

 今後は,次々と新しい方策を打ち出して,廃止時に新たな展開を産み出すものと思われます.もしかすると,公庫の肥大化すら有り得るわけです.今後も注目していきます.

フランチャイルズ制度は大手メーカーに太刀打ちできるか?

 フランチャイルズ制度とはどの様なものを指しているかと言えば,例えばOMソーラーの様な,一定の設備を工務店に提供し,工務店側では,それを使うことによって,住宅に付加価値を付けることができます.考えてみれば,良い商品を開発するには,それなりの手間とお金がかかります.そのお金を,なるべく大勢で負担し合うのが当然のやり方かと思います.これが,このHPにおけるフランチャイルズ制度の定義です.従って,私の決めたウッドハウス,上に紹介したソーラーサーキットもそうですし,蔵持さんのやっているエアパス(これは,福島県の四季工房がやっている),フクビのエアサイクルや,ハイブリッドソーラーハウス等などたくさんあります.これらは,どの様なコンセプトで家が作られるかがはっきりしている点,またその基準として一定の建築が保たれるところが施主側としては,たいへん有り難いです.

 一方の大手メーカーは莫大な組織力と,宣伝力で全国を相手取って物凄い数の住宅を販売しているわけです.バブル期にはまさに,建築の発注も多くて,ばんばん家を建てていたことと想像できます.そして,不景気になった今も,今度は小規模な工務店に不安があるので,大手にお願いしようと言う人も多いわけです.

 個人的に,大手メーカーにお願いするのをやめた理由は,結局は下請けに投げるというこの業界のシステムの中で,大手メーカーの大手メーカーである所以である宣伝費に,私の建築費用がどのくらい使われるのか考えたからです.もちろん,大手メーカーでは建築数が大きいので,材料費が安くなるのは確かでしょう.それから,ノウハウの開発は独自でやるので,安くなるはずです.一方で,モデルハウスに費やすお金は一体どのくらいでしょうか?モデルハウスに通えば通うほど,その恐ろしさが見えてきます.例えば,モデルハウスの玄関の反対側を覗いてみましょう.物凄い数のエアコンの室外機が並んでいます.真夏でも,ドアを開けているので,必要なんでしょうが,もし自分で家を建てたあと,何台エアコンを付けるか考えれば,モデルハウスの経済性が見えてくると思います.また,営業さんを見てみましょう.工務店の営業さん(中には営業さんがいない工務店もあるのだ)と比べると,非常に教育されています.しかも,見学会には5名くらいの営業さんが張り付いています.この様な,施主にとって無駄な経費は,大手メーカーの最大重要経費なのです.しかも,残念ながら,それらの営業さんは設備の良さを説明させると,教科書を見るように答えてくれるのに,重要な構造や断熱の話を聞いても,そのメーカーのやり方しか知りません.もしかすると,話してはいけない部分なのかも知れません.いずれにしても,私には不満に感じました.私のウッドハウスにお願いした一番の理由は,やはり荒井さんの存在が大きかったものと思います.

 フランチャイルズ制度は,個人的にはわかりやすくてとても好きです.今後,どんどん発展していくと思います.とは言うものの,宣伝はとても大事です.この様なネットを通じてでも,皆さん良く調べてから決めましょうね.

モデルハウスを見に行こう!

 これは,本当におもしろいと思います.私は大手メーカーに頼むつもりを無くしてからも,何度も足を運んでいます.大手メーカーのほとんどが,モデルハウスに出展しており,しかも相当高額な所場代を支払っているようです.もちろん家自体の出来映えもこだわりがでてきますので,相当額の負担をしているはずです.だから,2世帯住宅のしかも,相当ハイグレードの建物を見学に行くにはたいへん良い場所です.しかも,その中が,極めて見栄えを良くするための思考があるので,勉強にもなります.例えば,ライトの使い方や,吹き抜けの参考などなどただで見れるので,有り難いです.あと,営業さんともいろいろ話ができるので,そのメーカーのポリシーも見えてきます.

 ちょっと暇な時は,いろいろ案内してくれて,お茶もでてくることもありました.感動するのは,営業さんのできです.特に有名大手になればなるほど,巧みです.こっちの気分を見ながら,言葉を選んでいる感じが強く感じとれます.いずれにしても,建築を考え始めた初期段階と,悩みが生じたときには訪れてみると良いと思います.

 とは言え,いろいろ見せてもらったり,物をもらったりしますと(子供連れだと余計にいろいろもらえます),名前を書いてこなくてはなりません.そうすると,素早く営業攻勢がありますので,ほどほどにしましょうね.とか言いつつ,最近もちょっと見に行ってきました.構造の話をしてもらうのが,ちょっと楽しかったりしています.イベントにかこつけて,見に行ったり,人の建築する会社や建築した会社の建物の概要を見ることができます.

 と言うことで,結論ですが,私はモデルハウスは好きです.でも,そこでやっているイベントはすべて施主の負担だと考えなくては行けません.せめて,イベントはやめておけばよいのにね.でも,そうすると集客力が極端に落ちるのかな?!この様にモデルハウス好きの私にとって残念なのですが,このご時世で,モデルハウスの存在には無理があるようにも思えてきました.まあ,10年後の建築業界はぜんぜん違っていて,この様なモデルハウス的な売り方は無くなってしまうかも知れません.それくらい,施主は構造を勉強して,本当に無駄の部分を無くしていることが望ましいんでしょうね.

ちょっとした快適を求めて

 ちょっとした快適!それが私の家づくりのテーマです.と言うのも,単純に賃貸vs持ち家の構図を考えたときには,生涯設計なるものも必要になります.生涯の収支を考えると,もしかしたら賃貸の方が良いかもしれないと言えそうなことです.で,私の家づくりのこだわりは,このちょっとした快適と言う言葉です.これは,お風呂が好きだったら,リラックスできる場所として,1.25坪タイプにしましょうね.また,普通の1.25坪は洗い場が大きくなるだけですが,P型のバスタブのついたシステムバスにすれば,楽しめそうです.これに数十万上がっても良いかな...って考えるわけです.

 水槽の事も一緒です.現在の水槽を運ぶだけならお金もかかりませんし,簡単でしょうが,うちの建築と同時にシステムそのものを建物にあわせて作るわけです.これにも少しだけ余分なお金がかかります.

 カビのでないようなちょっとした快適性を求めても,全く一緒で,その様な目的のためにどんな家づくりをするかを決めていくわけです.この積み重ねでちょっとした快適を求めていくのでした.

工法を考える

 私の場合,木造軸組み工法を選択しましたが,いろいろなチョイスが可能なはずです.個人的な見解を人に押し付けるのは良くないと思いますので,いろいろ考えてください.ここでは,木造軸組,2x4工法,鉄筋コンクリート,鉄骨などの工法を考えてみましょう.

 先ず,木造軸組みは在来工法とも呼ばれるくらいで,昔からの歴史のある工法です.そもそも日本の多くの家がこの工法でできていると言われています.土台,梁,柱を組んでいき,家を作ります.軸を決めてしまうので,その間の間取りには自由度が高く,改築などがしやすい特徴があります.

 2x4工法はもともとはアメリカで開発された工法だそうです.この工法は床,壁,天井と言う面で構成されていることが特徴です.この特徴故に,気密がとりやすいと言われています.また,面で支えるので,構造的には非常に強いそうです.欠点としては,面の構造ですので,軸組みより間取りの自由度は低いと言えます.また,作り替えるのもそれなりに規制が多くなります.また,通気層をちゃんと作らないと,壁内結露などが起こりやすく,注意が必要であると言われています.

 良く,RCと略されますが,Reinforced Concreteの略だそうで,鉄筋を入れたコンクリートによって施工するものです.鉄筋そのものは引っ張りの応力に強く,コンクリートは圧縮の応力に強いので,木にこだわらなければ,一つのチョイスになると思います.丈夫なコンクリートを作ってもらえれば,5,60年は耐えると考えられています.

 鉄骨工法は,大手メーカーではよく使われていますね.パナホームなどがそうですが,木材の構造材の代わりに軽量鉄骨を使うものです.木の骨組みはやはり強度に限界があると考えられるし,シロアリなどの影響も否定できるものではありません.この点を考慮すれば,ぜんぜん否定する工法ではありません.骨組みが錆びに弱いので,やはり壁内の結露は禁物ですね.ただし,これはどの工法でも一緒かも知れません.

 結局家って,千差万別で長所も短所も秘めているわけです.自分で建築のコンセプトをたてて,それからいろいろな住宅を見て回りましょう.その中で良さそうなものを探し出すのが一番だと思います.

 ただし,忘れてはいけない点があります.これは,良く耐震性という言葉で,誘うセールスです.木造の軸組みと鉄骨を比べてみてください.一目で鉄骨の方が丈夫そうに見えます.では,これは本当にそうでしょうか?兵庫県南部地震,関東大震災,おそらくこれから起こるであろう東海,東南海地震に対して持ちこたえられる家は何でしょうか?地震が起こると,波が伝ぱんされます.大きく見ると,水平方向の成分の力が縦方向の力より大きくかかります.中学校の理科ではありませんが,力は質量と加速度の積です.地震による揺れで加速度がかかりますので,質量分だけの力がかかるわけです.がたいが軽ければ,それだけかかる力は小さいと考えられます.木造住宅と,鉄筋コンクリート,鉄骨を考えてください.壁の耐震力などは,関係がありません.家がどうしたら震災から耐えられるかは,お分かりいただけるのではないでしょうか?セールストークは良いところばかりが出てきますが,もっと具体的にその家自身の耐久力を議論するべきだと思います.地震大国と言われる日本の建築において木造住宅が多いのはそれなりの理由があるのでしょうね.

工期について考える

 うちの場合,工事日程が延びました.おそらくライフプロジェクトさんとしては異例の状態に陥ったのではないかと思います.それは監督さんの緊急入院もありましたが,一つには工期の見積もりが甘かったのでは無いかと思います.異例の事態と言うことで,毎日水戸から大工さんがやってきてくれていますし,監督さんの藤田さんや他にも水戸から頻繁に来ていただいています.荒井さんも退院してから頑張ってくれています.この様な状況においても私の要望通り着実に仕事をしていただける工務店さんに感謝しているわけです.一方で一般論から言えば,工期の遅れで賃貸料を多く支払わなければいけないとか,中間融資を受けていればその金利が高いなどの,保証問題も出てくるわけです.逆に見ると,工務店さんにとっても素早く工事が遂行できればそれだけ予算が浮くのは当然です.ある意味,損をするのを覚悟の上,施主の要望通りにきちんとした施工をしていただいているわけです.

 契約時には延滞に関する定款もかわしていますが,私の場合は,今の段階ではお金よりももっと重要なものがあると考えています.それは,私の思うウッドハウスの[進化型]にどこまで近づけるかという大きな命題を抱えているのです.大工さんが違ってもムラのない性能を維持しつつ,本当の伝統的な技術を磨き続ける...そう言うのが必要だと思っています.そういしないと25年程度で建てては壊し,立て替えるの繰り返しの日本の建築業界は向上していきません.

 今は,兎に角,完成を待つのみです.遅れるのは容認するとは言いつつも,本来,遅れたらその後,どういう状況で工期はこうなるというのはちゃんと施主に書面で伝えるべきかと思います.これは,ちょっと苦言です(時には辛口です).

ライフプロジェクトとの契約で思うこと

 満足いく家が建ちました.この家の本当の価値は見えないところだと思います.何人か知り合いが家の中を見ていますが,この家の本当の真価は私に語らせてくれ!って思ったりするわけです.でも,単なる自慢話になってしまうかも知れませんね.それに,残念ながら新築住宅を見たいだけの人は,自己満足の語りを聞いてくれそうにありません(涙).と言うわけで,このホームページで勝手気ままに書き込んでいるわけです.

 ウッドハウスを建てようと思い,ここに完成しました.建築日誌の通りに,限られた時間の中でいろいろな苦労がありました.家の建築の深さに感動しましたし,私のくだらない(ように思える)要望に答えていただきました.感謝の気持を込めながら,私の思うことを少しまとめたいと思います.

 ライフプロジェクトは現在も水戸で数件手掛けているようですし,つくばでもそろそろ完成というのがあります.これから,もっともっと忙しくなるに違いないと私は思っています.その時に,私のうちの時のように,一人の不在が大きく響くようではいけないと思います.家は建て始めたら途中で休憩というのができないことを思い知りました.つくば店の方は現在,2人体制です.しかし,常磐新線や圏央道など近い将来大きく変わるであろう茨城県の南部において,ライフプロジェクトのような工務店さんは未知数の発展が予想できます.

 さて,私は一施主ですので,別にここの書き込みでどうなると考えていません.単に思いついた事,感じたことをそのまま書くわけです.

注文住宅の本髄?!

 なんでも,頼めばやってくれる?上に,見た目だけでないと書きましたが,見た目の部分もお金さえ出せば,なんでもやってくれます.で,こちらから相談すれば,すべて検討してくれます.例えば,こんなキッチンにしたいって思ったときに,それをちゃんと言葉で表現すればかなうわけです.重要な型居部分はウッドハウスを頼むわけです.その中に独自の良さを加え込んでやれば,満足いくものができるのでは無いでしょうか??ところで,注文住宅で本当に何もかも,考えさせられるとさすがにうんざりするぞって思ったりします.私の場合は,本質にかかわらない部分はあまり考えたくないと言う感じでしたので,例えば,壁紙(クロス)などは検討する必要がありませんでしたが,これは良かったと思っています.そこで,いろいろ相談する前に,自分の中でこれだけは欲しいというものをはっきりさせておくと良いと思います.そこは,はじめからプラスαです.つまり,ウッドハウスの基本型をハッキリさせて,その上に自分の希望を上乗せしていくわけです.

契約までに相当の時間を費やした

 一般的にメーカーさんと話してもそうですし,工務店さんと話を詰めるときにそうですが,営業をしている方は少しでも早く,契約を結びたがります.それは,極当たり前と思いますが,あまり考える時間を与えずに,契約を結ばせるのはどうかと思います.今回,つくば店では本当に長い時間私に猶予をくれました.その間に,他の工務店さんもたくさん見れましたし,良かったと思います.一方で,間取りや仕様は時間をかけたぶんだけバリエーションがでてしまいます.時として,以前話した内容が反映されていなくなってしまったりします.これは,重要な部分もあるわけで,できれば,きちんと書面化しておくのが良いと思います.当然,変更すれば見積もりもどんどん変わっていくので,ちゃんと一つ一つ説明を受けておく必要があります.私の好きな人情や仁義の世界では,きっと良くないんでしょうね.

お金の支払いにある程度のフレキシビリティー

 私の場合,支払いに中間資金の受け取りが要らないようにさせていただけました.これが無かったら,結構利息を支払うことになったかも知れません.契約時に有り難き,社長さんのご配慮をいただけ,良かったと思います.施主というのは各々財布が違うので,個々に対応いただけるのは助かります.会社の規則とかで,すべてを仕切られるのは考えものですよね.

水戸本社とつくば店

 荒井さんが入院してしまい,水戸の方から代理の監督さんや大工さんに来ていただいたり,社長さん,建設部長さんが頻繁に足を運んでいただきました.本当に大変だったと思います.契約前に,水戸の方で見積もりや仕様書をチェックいただいていると言う事ですが,細かい部分は荒井さんの頭の中に入っている感がありました.実は,施主である私がちゃんと理解しているべき部分もあるんでしょう.ここで,多少なりとも連絡流通に疑問がでました.

 で,総合的に私が思っていることは,今後,つくば店でどんどんと契約が出てくることを想定すると,今の体制では人手も足りなくなります.実際に施主側は打ち合わせに時間を費やすわけですが,遠くまで行くのは難しいわけです.つくば店の存在は,とても大きいと思います.打ち合わせ,図面作り,見積もり,発注,建築...とあるわけですが,別会社では無いのですから,どこから先を分業できるのでは無いでしょうか?社長さんに大きなお世話だと言われそうですが...私個人としては,見積もりのあたりからは水戸の方でやるのが良いかと思います.つまり,打ち合わせた内容を水戸に送り,そこから先は水戸の方から打ち返すと言う感じです.そうすれば,多くの顧客を対応できますし,もしもの時も対応策が多くなります.しかも,すべてが書面の中に残りますので,お互いに安心なわけです.

 今後の発展を祈りつつ!

工務店を選ぶ

 皆さんが,これに多いに悩むことと思います.以前から主張していますが,家づくりにはコンセプトを持つべきと思います.もちろん,それがデザインであっても良いと思います.大昔ですが,家を建てるなら白い家...とかって歌がありましたが,輸入住宅をおしゃれに建てるのも良いと思います.健康や家の丈夫さでも良いと思います.ただ,エコとか,健康とか,高高とか,見せかけだけの言葉に騙されてはいけません.自分で重要に思うコンセプトを,依頼する工務店がちゃんとやってくれるかどうかを見極めることが大事です.ここまで読んでいただいた方に,私が何故にライフプロジェクトにお願いしたか,またその結果をどう考えているかと言うのを伝えるのが,最も有用ではないかと思い,記事を書くことにしました.

 私の持っているコンセプトは,家族が楽しく生活できること,自分がゆったりと楽しめる空間を持てること,それには健康を第一に考えること...と考えています.良く言われることですが,年々家族構成や様子は変化していきます.今は,みんな一緒ですが,そのうちにばらばらになっていくかも知れません.小さい子供のうちは,親といる時間が長いと思いますが,中学,高校になったら変わってくるわけです.部屋が欲しくなるかも知れないし,その後,いらなくなるかも知れません.今からいっぱい空き部屋を用意する必要は無いはずです.でも,将来的には部屋が必要になります.その点を考えて,木造軸組(在来工法)にしました.

 子供の表現ですが,うちには壁や廊下が無い.そして,壁が木である.この2点が目で見える特徴です.実際に1階は玄関からあがると,すべてのスペース(と言ってもリビング,ダイニング,和室)がオープンになっています.その間には廊下はありません.吹き抜けから2階や勾配天井も見えてしまいます.ドアを閉めるのは,トイレやお風呂くらいで,他はドアを閉める必要も無いし,閉めていません.この開けた空間が,今の現状では最良と考えています.これを,実現するためにはいくつかの要素を満たす必要があります.それは,気密と断熱です.詳細は上記の通りですが,本当に1つの空間ができ上がっています.そして,単に気密を高めるのではなく,計画換気を取り入れました.これは,セットです.仮に,換気が欠ければ,それはある意味で欠陥住宅と言えます.それくらい,換気は重要と思います.住む前はそれ程強く思っていませんでしたが,人間の体に血が流れるように,家の中に空気を計画的に流さないとある部分が淀み,そこから大きな病気になってしまいます.個人的な見解として,それくらいの重要性を持つと考えるようになりました.淀ませないと言うことが,凄く大事なわけです.

 もう一つ,真の自分の空間を作るためには,要望に答えてくれる工務店が必要です.何でも企画通りにやれば安くあがるでしょうが,実際にそれでは自分の目指す空間にはなりません.私のこだわったのは天井の高さを十分にとること,お風呂は広めの空間にすること,水槽用のスペースを確保すること,夜にはパソコンでもしながらゆっくりできること等など...これを十分に満たしてくれる工務店にお願いしました.天井高は数値で書いても実際に分かっていただくのは難しいと思います.実際に比べてみてください.お風呂は,展示場で見比べれば分かります.やはり,0.25坪のプラスが,寛ぎの空間です.

 健康に関しては,いくら配慮してもし過ぎはありません.うちは,クロスを使わないことに徹底しました.もちろん,有害物質の少ないクロスも存在していますし,これだけうるさく言われれば,工務店も気にするとは思います.しかし,五感で味わうとすれば,嗅覚から得られる木の香りというのは本当に重要だと思います.ベニアの上に張ってあるクロスからは得られないと思います.ただし,まだ建築終わったばかりで,木があばれるという現象を実感していないので,本当に木だけの家が良いのかどうかの結論は先に延ばします.

 書き並べたことでお分かりいただけると思いますが,私は先ず先にコンセプトを決めて,それに近づけてくれる工務店を探しました.こうすれば,迷うことはなくなります.もちろん,人間同志の相性もありますが,探す先は想像しているよりはるかに多いと言えます.自分のやりたい方向で絞り込み,駄目だと思えば削っていくのが良いと思います.高い買い物ですので,忍耐で探しましょう!

 で,そうやって,結局ライフプロジェクトさんにお願いすることになりました.1カ月半ほど住んでみて,大変満足しています.これからは,夏の乗り切り方をうまく考えていく必要がありそうです.

暖房を選ぶ

 久しぶりにコラムを書くことにしました.理由は,暖房器具を購入したからです.先ず,高気密住宅には開放型の暖房設備は駄目だと言われています.燃焼に伴って有害物質を発散すると言われています.24時間計画換気の換気量は,この一酸化炭素などの有害物質を排出できるようには考慮していないからです.良く,石油ファンヒーターでは換気のメッセージが出ますが,窓を開けて,換気を繰り返していては,熱効率は良くありません.それに,排気ガスとともに湿気を放出し,それが結露の原因になります.

 そう言うわけで,先ずは,開放型のファンヒーターや石油ストーブは使えません.ライフプロジェクトでは,標準で白山製作所のアルディと言う蓄熱式の暖房を使っています.これは,電気料金の安い夜間電力で蓄熱体に熱を貯めて,昼間はそれを放出しながら家全体をゆっくりと温める方式です.社長さんのお宅でも使われていて,冬になるとスイッチを入れっぱなしのようです.うちは,オール電化(たぶん,ライフプロジェクト標準)ではないこと,またこの本体と取りつけ費用で221,000円の見積もりであったことなどを勘案して,アルディは取りつけませんでした.それ以外は,エアコンを使うか,それともFFと呼ばれる強制排気型のファンヒーターと言うのが一つの可能性です.社長さんにはホットマンと呼ばれる機種を勧められました.これは,富士通ゼネラルの温水ルームヒーターです.なかなか良いそうです.灯油を使って温水を作り,部屋に回すという仕組みのようです.いくつかの部屋に設置できるなどの利点があります.

 さて,いよいよ11月になると,さすがに暖房無しでは無理かなーと言う気がしてきました.今年は暖かかったせいか,本当に10月下旬まで暖房機器は一切使いませんでした.日中の温度は,ほぼ朝までキープできたと言えます.さすが!取り敢えず,10月下旬から少し新しい可能性を模索し始めました.先ず,何を燃料にするか考えます.ガスか灯油か電気しかありませんよね.灯油は切れると面倒なので,この時点で既に却下です.ホットマンを付けるという選択肢もありますが,取り敢えずは機動性の良い暖房器具を使ってみようと思いました.最後は,エアコンの暖房で乗りきれると,踏んでいます.結局,大がかりな工事をしないと言うことだと電気の暖房器具!しかも夏には仕舞えるものが良いと思ったのでした.ここで目を付けたのが,遠赤外線を使った暖房器具です.放射された遠赤外線は,壁,床あるいは天井に反射しながら,部屋を温めてくれるそうです.

 と言うことで,今回購入したのはCAMPAと呼ばれるおふらんすのメーカーの作った遠赤外線暖房です.日本製もそれらしきものがいくつかあります.一番評判が良いのはサンラメラと言う商品で600と1201と言う商品があります.1200wの方で6〜14畳が適応範囲になります.標準価格が128,000円と少し高めですね.通販で見ると,実売価格が80,000円〜と言う感じですが,デザインがもう一歩と感じました.類似品では,サンルームというのがあります.こちらは,550と880となっています.880の方がマンションで4.5畳〜16畳,木造で12畳前後までとされています.目安というのが,怪しいですよね.少なくとも,サンラメラと比べて消費電力が小さいんですよね.本当に同じくらいの適応範囲であれば消費電力がサンラメラより低いので,おそらく1カ月の電気代だけみると,こっちの方が良さそうですし,デザインもすっきりした感じです.HPをみていただくと分かりますが,価格もお手ごろな感じです.ただし,いろいろと調べてみると,サンラメラとサンルームは商品で裁判をしているようで,サンラメラの方が本物らしいと思われます.消費者からすれば,安くて性能が良い方がベストなので,使ってもいない私がこれ以上書きません.更に,類似品では夢暖望なる機器があります.こちらも3タイプあります.3メーカーみても,どれも,似たりよったりですので,どのメーカーを選ぶかは,消費者の趣味の問題と思えます.それと,兄弟機として,おそらく最近発売になったと思われる暖話室があります.暖話室1000型はデザイン的に上記のものとはだいぶ異なり,丸い形のもので,360度方向に遠赤外線を出すようです.これは6畳〜9畳となっており,ちょっと良いと思いました.結局は,世界的な定評のあるCAMPAにすることにしました.写真のがベルリスと言う商品で,比較的大きいタイプのものです.1000wですので,大きいと言っても電力自体は1時間に17-22円くらいと思います.上の機種と比べてサーモが働くのが良いと思いました.これを,夜だけつけて,昼間は窓からお日様の熱で家の中は冷えないのではないかと思います.さて,どうでしょうね?!

 キャンパ社製のベルリス

 表面がガラスになっていて,これが赤外線の放射効率を高めているそうです.デザイン的にも,一味違う感じがします.ちょっと自慢できそうな感じです.問題の使用感ですが...それは,これからのお楽しみです.

(下のリンクで売っています.楽天にとびます.いくつか,通販もあるようですが,価格は似たり寄ったりでした.web上で品名を入れて最安値のものを探すのが一番早いと思います.送料なども考慮した方が良いでしょう)

キャンパ遠赤外線パネルヒーター「ベルリス」【送料無料】キャンパ社(フランス)

 2005年冬になります.2シーズン使ったので,少しだけ使用感を書いておきます.おそらく,オイル式のヒーターより暖まりが早いと思います.少なくとも,前に立っていると暖かい気がします.電気代も,膨大にはなりません.ただし,上にも数字を書きましたが,1時間で20円程度かかります.とすれば,30日間24時間で使用すれば,15,000円くらいにはなってしまうわけです.電気代をいくらに想定するかで,この価格に対する評価が分かれるところでしょう.使用の手軽さや,夏期の片付けを考えれば,評価は高いと思います.ただ,蓄暖は暖かいらしいので,やっぱりそそられます.あと,最近になって,ガスの暖炉も良かったかも...と思えています.炎を見ると,体もぽかぽかしてきそうですね.

建築日誌的HPのあり方?!

 「建築日誌的ホームページ(以下HPと略す)」とは...このHPも含めて,情報を提供することを目的としているのか,単なる自己満足か分からなくなる時があります.特に自己満足系のHPは非常に多いと思います.私が見ておもしろいと感じるHPは,やはりトラブル系の記事がきちんと記載していあるHPや,専門的な知識がきちんと書かれているHPだと思います.その点で,私のHPはどちらも曖昧な素人的なHPだと実感してしまうわけです.自分の持っている問題点も正確に書き込んでいるつもりではありますが,少なくとも工務店さんの顔を頭に浮かべながら書いてしまうのも事実です.せっかく良くしていただいているのに,ちょっとしたことで険悪にはなりたくないと言うのが日本人的な発想でしょうか?いずれにしても,当HPについて言えば,2,3度直して欲しいというコメントがありました.それに関しては,むしろ良好な関係が保てているのだと思います.逆に言えば,自己満足に過ぎないのかな?!って感じたりするわけです.自己満足で終わってしまうならば,こんなHPをコツコツと作っている意味は全くないと思えてしまいます.

 で,時折いただくメイルなどで励まされながら,ぼちぼち思ったことを書いているというのが実際のところでしょう.やはり自己満足か...でも,もしかして,ここを見て,ウッドハウスにしたいと思ってくれる人,あるいはライフプロジェクトにしたいって思ってくれる人がいれば,その価値は十分かとも思えます.もし本気で家を建てようと思っている方がここを見たら,「嘘を言われたと思って」ウッドハウスを見てみてください.特にハウスメーカーだけしか見ていない人は,規格住宅,在来型住宅とは違うというのが分かっていただけるのではないでしょうか?たぶん,今までの感性とは違うものを得られると思います.それは,目の肥やしというだけでも良いのではないでしょうか?

 例えば,これだけいろいろ考えて建てたとしても,本当にこれがベストであったのか?と言えば,良く分からなくなることもあります.それは,例え家族であっても,同じ感性では捕らえていないと思えるからです.ライフサイクルやスタイルの違いは必ずあります.20年後にこの家には誰がいてどうなっているんだろうって思えば,本当に分からないと思います.では,10年後にはどうでしょう?おそらく,子供たちは各々の生活を見据えられるようになり,今のようなオープンな家のままではないと思います.で,そんな時に今の生活を思い出せるようにできれば良いし,そうなるまでは,今のオープンな家族関係を保ちたいなーって思います.真壁の家というのは,構造材が見えているので,多少の手直しなら簡単にできそうな気がします.これは,当初の目論見通りですし,手をかけて家を進歩させたいと願っています.

 と言うことで,何を書きたかったのか分からなくなりつつありますが,このHPは来ていただける方がいる限りは続けたいと思っています.コメントは要望は大歓迎です.それによって,少しでも改善できればうれしい限りです.

頑張れ工務店!頑張れ施主!

 建築を計画してから2年以上,昨年の今頃完成し,3月に住み始めた私ですが,これからの皆さんに,今後発展するであろう工務店さんにエールを送る記事です.今後も頑張ってください.

 おそらく,ここまで記事を読破してきた方がいるとすれば,相当真剣な方と思います.書いてきた私ですら,途中であきらめたくなる量の読み物ですね.今となっては,訂正しておいた方が良い箇所もあるように思えますが,現実的には難しそうです.先ずは,施主さんの立場でいろいろ考えてみます.私が本をたくさん読み出したのは,建築の始まる少し前だったように思います.もっと早く読んでおけば良かったと思うことはしばしばです.なんと言っても,初めての経験なのでどれが正しいのか全く分かりません.営業さんの言う言葉で納得してしまう事もしばしばです.特にメーカーの営業さんの巧みな話術には驚きます.建築関連の本は実は宣伝本が非常に多いことには注意した方が良いと思います.その上に立ってきちんと読破しましょう.聞きかじりの知識も時としては有効ですが,理論的に理解できることは正しいことと思います.それは,感性ではなく理屈なのです.大工さんの(人間の)作る建物です.理解を超えた現象は起こらないのです.本当は気持ちがいいと言う住み心地は,数値で理解されるはずです.

 抽象的な言い回しで申し訳ありません.重要なのは,住宅が建ってから,いろいろと問題点が発生します.私は,施工上の問題と,今後の希望的なものを分けています.この両方を工務店さんに押し付けようとすれば,単なるクレーマー(言いがかり的なクレームをつけるだけ)になってしまいます.例えば,最近になって,換気計画をこうすれば良かったなーと思っていることがあります.しかし,これは決して施工上の問題ではなく,計画換気の途上的な部分だと思います.認識しておかなければいけないことは,今の状態は建築の最後の段階ではありません.皆さん,パソコンを買われますよね?どうやって選びますか?5年後には,過去の遺物ということを納得の上で買っておられるのではないかと思います.現状のベストは,来年にはその先が見えてくることがあります.パソコンの購入のとき,先ずは用途を考えて,ノートにするとかデスクトップにするとか考えます.持ち運んで使いたいとか,データ量は大きいとか,データ通信を早くするとか...もちろん,お金が裕福な人は最高スペックのノートにモニターをつけるようなセットにするかも知れません.モニターを考えても,普通のユーザーにとっては,液晶が良いかも知れませんが,デザイン系などの色合いを大事にする方は,CRTが良いかも知れません.それから,仕事に使うヘビーユーザーもいれば,ネットができれば良いだけの方もいるかも知れません.家の建築は全く同じです.何をどう使いたいかを考えないと,あとから後悔をすると思います.そして,自分の払える範囲で,自分の必要なスペックのものを揃えていくのが重要です.来年になれば,もっと高いスペックのものが販売されている事でしょう.

 この部分は,工務店さんにも言えると思います.最高のものがさらに,進歩していくんですから,それを取り入れて行かなくては,駄目だと思います.現状に溺れず,次に邁進していくその姿勢こそが大事と思っています.先に書いたとおり,私は施工上の問題でないと思われるクレームはつけていません.しかし,この部分に耳を傾けないと,進歩はできません.荒井さんがいた頃は,荒井さんが,その後は社長さんが見えてくれるんで,本当にさわりの部分はヒントを出しています.ただ,施主があまり強く言えば,それはクレームになってしまうので,強くは言っていません(のつもりです).施主は各々メッセージを持っていると思います.伝えるか伝えないかは,施主と工務店の信頼関係に頼っていると言わざるを得ません.衰退する工務店も,前進する工務店もあるということを,感じとって契約しましょう!

 方向は各々違うと思いますが,私があげている3つの工務店の社長さんには,その意気込みを感じました.今後も大丈夫と確信しています.

間取りについて考える

 先日,とある方から間取りについての質問がありました.そう言えば,あの頃は煮詰まっていたなーと言う思い出が蘇りましたので,ここで少し記事を書いてみることにいたしました.間取りは,今後の生活を見据えて書く必要があり,非常に大事だと思います.そういう意味で後悔があってはいけませんので,設計士さんに頼むのもありかとは思います.そのくらい,大切な作業です.ただし,その人が工法をきちんと理解しているかどうかが大事になります.個人的にはウッドハウスにはウッドハウスの間取りがあると思いますし,それをきちんと提示してくれることが,「契約の決め手」となることでしょう.ライフプロジェクトでは,私のときには荒井さんがいろいろと考えてくれました.しかし,物足りないのも事実でした.ある工務店さんでは,間取り提示のある段階までやって,「ここから先は契約後です」って感じもありました.これは,間取りの提案に自信がある表れなのでしょうね.

 間取りの検討にあたっては,施主側から提案するいくつかの条件ははっきりと伝える必要があります.どう苦労するかを考えるには,具体例の方がわかりやすいと思います.

 例えば,水槽部屋が欲しいと言う要望です.これを,既存の間取りに当てはめるのに相当の苦労をしました.ご存じない方もおられると思いますが,水槽の設置というのは先ずは,重さの問題を考える必要があります.そして,水の取り扱える水道などの環境の作成.さらには,高気密住宅においては湿度の問題も十分に考慮しなくてはなりません.重さに関しては,うちの今のシステムでは,およそ800Kg〜1t近い過重が常時かかっていることになります.水のトラブルも考えると1階がベストですね.このスペースを1階の間取りに配置するのは実は容易ではありません.1階にはリビングダイニング,風呂や和室の設置を考えます.それのうち,南側に配列すべき物と,北側に配列すべき物のバランスと階段の位置,玄関の位置を考慮しなくてはなりません.そうなると,配置というのは大体決まってきます.そうなると,どこに空きスペースがあるの?って感じになります.その解決策はいくつかありました.思い切って2階に持っていくこと.あるいは,階段の位置をずらすこと.風呂やリビングを2階という逆転思考もありますよね.今回のうちの場合は,玄関ホールの空間と水槽部屋を一体化させました.これは,お互いのスペースは狭くなるけれども,戸で区切らないことでお互いを広く見せるという手段です.しかも,土間スペースならば水のトラブルに強いし,排気ダクトを設置することで湿気の流れも考えました.こう書くと簡単じゃんって思われるかも知れませんが,この回答を探すまでには大きな時間を費やしたのは事実です.

 と言うことで,1つの問題の解決にはいろいろなことが考えられます.思いもしないヒントが隠れていることもあります.たくさんの間取りを見て,施主自ら勉強する必要もあります.一番最初に書いたとおり,最も重要な点なので,焦らずじっくりと決めていきましょう.実は,振り返ってみれば,この苦しみ(?)が,自分の動線を考える一番楽しい瞬間でもあると言えます.

家自慢  そう言えば,インターネットのない時代から家を建てるとお呼ばれして,家の中を見せて頂くことがありました(もちろん,今でも親戚など親しい人に対してやってますね).私も自分で建てる前は,何をみて良いのかわかりませんでした.要するに新築住宅を見せて頂き,褒めて帰ってくれば良いわけです.これは,その場がインターネットに代わっても,同じことと思います.ただし,例えば,見学をさせて頂く私が,何をみようとしているかが違ってくると,評価そのものが変わってしまいます.インターネットは情報収集の場であって,決して知り合いの家を見に行くのとは違います.だから,そこには褒めるだけのおべっかは不要なわけです.

 さて,そう思って見回してみると,HPを作る側は精神的にはあまり成長していません.つまり,家自慢で人を呼んでいるようなものです.これ自体,自己満足の領域を超えません.ところが見る側は違うわけです.かく言う私もこのHPで正確かつ公正な情報発信をしているのかは大いに疑問です.疑問を持ちつつも,こうして続けているのは,少ないながらもアクセス頂き,またここから少しでも情報を得ていこうと方がいるからです.時々いただく,質問や意見があればこそと言うことだと思います.もう一つは,ウッドハウスと言う言葉すら知らずに,メーカーや工務店で建築してしまう人がいるのを,不憫に感じるからです.本HPをよくご覧いただいた方にはおわかり頂けると思いますが,私の立場は常に一施主であり,宣伝をするつもりはありません.不満な点,嫌な点も見て取れるように書いているつもりです.知るだけ知って,別のものにするのは簡単です.FPの家,ソーラーサーキットやエアサイクル系の有名どころと比べるとウッドハウスはあまりに知られていませんね.

 さて,本題に戻って,家自慢をどう見るかというのを考えておきましょう.私が思うのは車やパソコン(これならば誰でも購入したことがある)の自己満足と変わらないと言うことです.例えば,自分の買ったばかりのパソコンは気に入っているはずです.スペックが気に入ったと言うのでも良いですし,価格が気に入ったというのでも良いでしょう.自分の支払い分の価値を感じる=だから=決して悪く書かない訳です.わかりますか?仮に,私がハウスメーカーで建てたとしてもここに自己満足を並べていたかも知れないし,それを見てなるほどって思ってくれる人がいるかも知れません.私は自己満足のページはそれで良いと思います.ただし,それを受け取る方はもっと考えるべきだと言いたいわけです.そこで最後に提案になりますが,いろいろなHPで調べ,そしてモデルハウスに行った皆さんは,ご自身で表を作ってみてください.それは,例えば構造,基礎,断熱,冷暖房,気密,外観,内装,設備品,バリアフリー,健康配慮,価格くらいの表で良いでしょう(わからない方は,公庫融資住宅の仕様との比較のページも参照してください).それで点を単純に付けても良いし,自分の中で配分を作っても良いと思います.また,優れている点は人によって違います.それでも構いません.最後は自分が気に入って住めるわけです.家自慢に惑わされないように自分で考えてくださいね!

HP移転に関連して  2005年6月にサーバを借りてHPを移転することにしました.これまではGeoCitiesの無料サーバでしたが,思い切って引っ越すことにしました.家の引っ越しもこのくらいでできれば良いんですが,そうはいきませんね.最近は建築関連の記事も少なくなってしまっています.でも,家の建築は奥が深く,まだまだ発展途上な部分も(と言うか,企業が独自に努力していると言うべきか)多くあります.あと,5年もすればうちの建築方法は古くなっているんでしょうね.

 さて,新しいサーバの使用感は如何なものでしょうか?だいぶ速度が速くなったように思います.何より,掲示板もサーバ内で動かせますので,すべてを統一的に管理ができます.その一方でトラブルなどには弱いかも知れません.長い目で見て上げてください.それから,少し外部へのリンクを付けておきます.私のHPを見て興味を持った場合に,探せるようにしたいと思っています.例えば,建築資材のようなマニアックなものをどこで購入して良いかわからない場合などには,少しでもヒントになるのではないかと思います.あと,輸入品もそうですね.基本的には楽天市場へリンクしておきます(口コミ情報とかもあります).アフェリートになっているので,こちらのリンクもしやすいです.個人的に,そこを勧めると言うよりは,情報を得た後でご自身で探してください.楽天に行ってみればわかりますが,同じ商品でも全然違う値段で出されています.徐々に付けて行くつもりですので,お楽しみに!

基礎について考える  最近は基礎の調査をしてから上に建物を建てるケースが多いようです.私のような素人的には,安心を購入するようなものと考えれば良いのですが,それだけではいけないと思いますので,少しだけ書いてみます.元々ある土地をまっすぐ平らにして家を建てるわけですが,盛り土かどうかと言うのは極めて重要だと思います.盛った部分は人間が乗ってもびくともしませんが,家がのった場合には,沈下などを起こす場合が想定できます.人間の力は自然を変えるほど強力でないと言うことは肝に銘じておくべきと思っています.地震などが発生すると,それに伴って土地そのものが動かされます.逆に土地を削って平らにした土地は多少なりとも安心感があります.関東一円での話になりますが,「関東ローム層が出る場合はしっかりとした地盤」と言われることがあります.これは,少なくとも土地が盛り土でないことがわかるので,昔からこう言ったのではないでしょうか.また,関東ローム層自身に基盤を乗っけられれば,木造2,3階建てには十分な基盤と言えるそうです.これで地盤改良は必要ないだろうという予想はできるかも知れません.うちを建てるときには荒井さんもしっかりした地盤だとおっしゃっておられましたが,この辺が根拠だったのだろうと想像します.

 さて,問題は地盤って言うのがどうやってできるのかと言うことです.一般的には地質という言葉が使われます.日本の平野部においては,ほとんどのケースが堆積物の上に住んでいます.硬い古い岩石の上に建築しているのは限られた地域だと思います.堆積物は古い時代から海や湖などの環境でたまっていきます.古くたまった地層の上に,徐々に新しい地層が堆積していくわけです.重要な点は,古い岩石ほど下にあると言うことです.基礎としてのかたさには2つの要素が考えられます.1つは堆積時の条件(例えば砂や泥の粗さ)と,その後時間をかけて十分に固められているかどうかです.上の建物が乗る地盤はごく新しい堆積物から成りますが,その粒度が十分に細かく動きにくければ(ものを乗せてもゆがんだりしない)十分な基盤と言えます.もちろん,地層とは埋積後に徐々に時間をかけて(数十とか数百万年以上の長い時間)固められていきますので,古い地層が表層に出ている場合は,この上に家を建てられれば良いわけです.

 緩くて動きやすい場合などは,基盤改良が必須になるわけです.基盤改良はある程度基礎を支えるに十分だと思われる古い地層まで足を伸ばすことであります.単に建築費の問題ではなく,安全を考えれば,基盤改良を実施しなくてはいけない土地よりも地盤改良なしで済む土地を探す方が良いと思います.しっかりとした土地かどうかを判断できない場合は,ちゃんと専門家に報告を出してもらってください.ただし,これはただの保険と考えることはお薦めできません.少なくともどんな地層の上に暮らしているかくらいの想像はしてみましょうね.

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