鉱物と岩石

 

 鉱物を英語で書くとmineral(ミネラル)です.良く,ミネラル豊富な水と言う言葉がありますが,若干意味合いが違うかも知れません.一般に言われる,ミネラル分に富んだ水とは,十分に地下を通り抜けて,鉱物の成分を溶かし込んだ水と理解すれば良いのではないでしょうか??そうそう,水も液体ですが,鉱物として取り扱われることもあります.そう考えると,水の宣伝に出てくるミネラル豊富な水とは,一体何の事やら,わかりません.言葉の乱用は,ユーザーの誤解を招き,その誤解が業界に不利益をもたらすものと考えます.アクアリウムでは,濾材等の関係で誤解を招く表記が多すぎると思います.今後,少しでも改善されていくことを望んでいます.

 辞書で鉱物を調べると,物理的,化学的にほぼ均一で,一定の性質を持つ固体物質の事を”鉱物”と呼ぶわけです.英語でmineralをひきます.(1) A naturally occurring inorganic element or compound having an orderly internal structure and characteristic chemical composition, crystal form, and physical properties. Those who include the requirement of crystalline form in the definition would consider an amorphous compound such as opal to be a mineraloid. (2) Any naturally formed inorganic material. 難しいことを書いても仕方ありませんので,簡単に言えば,ある均一な組成を持った自然界の物質が,鉱物と言えます.

 それでは,岩石とは何でしょう?数種類の鉱物の集合体です.つまり,鉱物が集まって,岩石を形成するわけです.これが,重要です!!まれに,1種類の鉱物で構成される岩石もあります.

 岩石はその成因で火成岩,堆積岩,変成岩に分けられます.うーん,中学の授業みたいですね!火成岩は火山活動でできる岩石で,深成岩,半深成岩,火山岩に分けられます.前者の方が深い場所でゆっくり固まった岩石で,後者の方は地上に出てきてから急冷される岩石です.これは,一粒一粒の鉱物の結晶の成長に関わってきます.ゆっくり冷えれば,大きな結晶ができますし,急冷すると,結晶になりません.さらに岩石の色の違いは,次のように考えれば良いと思います.地球の内部にあるマグマが閉鎖環境で,冷やされていく過程を考えてみましょう.高い温度で結晶になりやすい鉱物から固まっていくわけですが,高い温度で,カンラン石などを多く含む黒っぽい岩石ができ,後の方では石英などを多く含む白っぽい岩石が形成されます.最後に残る溶液がおなじみの温泉と言うわけです.石英と言う鉱物は,SiO2と言う化学組成を持ち,これが少ない岩石が塩基性岩と呼ばれます.ここで覚えておけば良いことは,火成岩類は塩基性の強い玄武岩類,安山岩類と,酸性の花崗岩類に大きく分類されます.一概には言いきれませんが,黒っぽい−>白っぽいと言う区別で,良いわけです.

 では,次に堆積岩です.御存知のように,海や川,池には堆積物がたまります.それは,泥であったり,砂であったりたまる環境によって違います.1000年で数mm〜数mまでその速度も違います.その堆積物は,山や陸地が削られて貯まりやすい環境にやってきます.次から次へと上に貯まっていきますので,ある時期に貯まった堆積物は時間と共に海底の表面からどんどんと深くなります.そして,地温は深い方が高くり,圧力も高くなり,圧密されていきます.こうして固まった岩石が堆積岩と呼ばれる石です.時として,火成岩との区別が非常に難しい場合がありますが,容易にできることもあります.マグマが固まった場合には,鉱物は各々の特徴的な形を持っています.堆積物は,長い間運ばれますから,その特徴的な形を呈しません.堆積岩の分類は粒度(粒子の粒の大きさ)を基準にしています.また,粒子も色々あり,石英粒子が卓越したもの,生物の骨格を中心とした堆積岩も存在します.

 最後に変成岩ですが,これは温度圧力の影響で,上に示す火成岩や堆積岩が変成された岩石を言います.

 さて,鉱物と岩石の話はここまでです.ご自分の周りには,どの様な山があり,そこはどんな岩石によって構成されているか,学びましょう!そうすれば,思ったような岩石を採取することができます.