ヤマトヌマエビの繁殖記録

 

 これは,ヤマトヌマエビの繁殖を日付入りで日誌のようにまとめたものである.今後,ベターな状態で産卵孵化させられるようにメモとして残したい.初回は,相当なストレスを与えていると思われ,失敗に終わってしまった...

最終更新日:1999.5.26

 幼生期に海水中で生活するヤマトヌマエビの繁殖は難しいとされているが,水草水槽などのコケ取りとして入れられている雌エビが,淡水中で抱卵することはしばしば認められる.我が水槽中でも抱卵しているが,そのまま魚の餌となっていました.たまたま,頂いたエビが抱卵していた(頂いてから抱卵した?)のをきっかけに,繁殖にチャレンジしました.ここで,私が教科書としたのは,クリスタルレッドで有名な井関さんのHPに掲載されている大熊さんの繁殖レポートである.

 10月23日 知人からヤマトヌマエビをいただいた.ミナミヌマエビが殖えすぎて,草が食害にあったため,手放すことにするというので,大事に育てられていたヤマトヌマエビである.ペットボトルに入れて,3匹をそのまま頂いた.雌1匹と雄2匹だ.すべて良好で,コケの多い60cm水槽に入れてやることにする(ここには既にヤマトヌマエビが5匹ほど入っている).頂いたエビは,それまで,抱卵していたらしいが,知人から手渡されたときには卵を持っていなかった.ところが,帰り間際にペットボトルを見ると,雌が抱卵しているではないか!!ちょっと,驚いたが私は,見落としていたのかな?と考えた. そこで,帰宅して雄2匹を水合わせ後に60cm水槽に入れ,抱卵した雌をプラケースに入れてエアレーションをかけた.以前,フィルター付きの投入式の濾過器を使用して,失敗したので,今回は単にエアレーションだけ試みる.その後,知人に抱卵していたと話したところ,脱卵して,ペットボトル内で抱卵したのではないかと言う話になった(納得!!).そこで,4日ほど隔離した雌のヤマトヌマエビを60cm水槽に戻すことにした.

 11月3日 ヤマトヌマエビの再隔離を実施した.以前からブラインシュリンプの孵化器をヤマトヌマエビの孵化に使おうと思っていたので,今度は,狭いのを覚悟してブラインシュリンプの孵化器の中へ移した.ヤマトヌマエビと,僅かにハイグロフィラおよびウイローモスを一緒に入れた.エアレーションはほんの僅か(そうしないとヤマトヌマエビに常にエアがあたってしまうので)行った.単純に考えると,抱卵して10日目ということになる.

 11月4日 ヤマトヌマエビが脱卵を始めた.孵化している様子がないので脱卵と考えた.ストレスが原因かも知れない.あのヤマトヌマエビの大きさには,例え1匹でもブラインシュリンプの孵化器は小さすぎる可能性がある.なるべく,孵化間近まで隔離しない方がよさそうだ.念のため,15グラム(500ml)の塩(人口海水用)を用意した.明朝の様子次第では投入することにした.

 11月5日 ヤマトヌマエビはすべての卵を脱卵したわけではなかった.数十個(もしかすると数百?!)は卵を残したままである.ストレス回避のなどを考慮して,わずかに塩を投入した.夕方,様子は変わらないので,もう少しだけ塩を投入した(そのまま塩を入れました).5%程度の海水を入れたことになろう.抱卵している分の卵が発眼(っていうのか?)している感じがする.孵化するまで,できればこのくらいの塩分濃度をキープしたい.

 11月6日(孵化日) 夜ヤマトヌマエビが孵化しているのを確認した.数ははっきりとはわからないが,親がまだ卵をつけているようなので,このまま放置することにした.完全淡水でも1日程度は大丈夫だろう.ここで,疑問なのが脱卵した卵が孵化したのか,残っていた分を孵化させたのかわからない.ただ,幼生が漂っていることだけは確かである.

 11月7日(1日目) ヤマトヌマエビの親は卵を全部は出さないようだ.ただし,孵化したのを見ると結構(50匹位の単位で)いそうなので,午前11時を期限にして親を出して,塩を80%へ上げる.2グラムくらいの塩を何回かに分けてそのままダイレクトに入れた.様子を見ても,あまり落ちていないようなので,このくらいやっても大丈夫!!親はそのままに(ほとんど)近い状態で60cm水槽に戻す.

 11月8日(2日目) ヤマトヌマエビ孵化後はまだ大丈夫だ.餌をどうしようか迷う.水量が限られているので,ここで水質悪化がもっとも怖いと考える.

 11月9日(3日目) ヤマトヌマエビはちゃんと生きているようだ.泳ぎに繊細さのないのもいるが,あまり落ちている感じはしない.ただ,餌が無いのが不安なので,今日からテトラベビーフードEを入れてみた.これが,どの程度効果があるかは不明.エアレーションしているので,餌自体は常に舞い上がっている.エビの子供は2mm程度で,長細い成長しているかどうかもはっきりとはわからない.ライト点灯時には元気なのは上の方で泳いでいるようなので,場合によっては水換えも可能かもしれないが,今のところ必要ないと考える.

 11月10日(4日目) 朝はライトが付いていないので,窓の方へ向かって幼生が集まってくる.見ている感じでは数十匹そのまま(あるいは多少は落ちているかもしれないが)生き残っている感じがする.僅かに餌を入れた.水が白化してきているようだ.水換えのタイミングを考えなくてはならないかも・・・.場合によっては,プラケースに移すのが良いかもしれない.

 11月11日(5日目) 幼生の動きが素早くなってきた.ぴょこんぴょこんと飛び跳ねているように見える.白化はしているが,生きている数があまり減少していないようなので,様子を見ることにする.餌をわずかに入れた.

 11月12日(6日目) 水面に浮いているようなのも現れた.動いているようだが,元気がなさそう・・・.

 11月13日(7日目) 半分位に減ったような気もする.現状ではまだ,水換えはしない方がよいと判断.

 11月14日(8日目) それほど,大きくなっているようには思えない.底の方には,死骸のようなのも見える.

 11月15日(9日目) 大きさ2,3mmで,それほど変わらず.ライト点灯時に上の方にいるのが結構,元気そうで(たぶん,20〜30匹)成長しているのかも・・・.来週あたりには,プラケースに子供を移してみよう.それまで,元気でいてくれれば良いのだが・・・.お母さんヤマトヌマエビは既に脱卵したようだが,あれから1週間は抱卵を続けていた.次に抱卵したときは2週間くらいを目安に隔離をしてみよう.

 11月16日(10日目) 幼生激減??かと感じるほど少なくなっていたので,わずかな水換えを敢行した.まず,作業としては70〜80%海水をペットボトルに作る.孵化器の水をスポイトで取り,減った分をペットボトルから足す.しかし,スポイトの水の量は少なく,これから毎日,少しずつ換えることにしよう.今のところ,20〜30匹は確保できているようだ.何時になったら着底するのかな?

 11月17日(11日目) 今日も僅かに水換えを実施した.気のせいか,昨日より元気そうだ.3mm程度ではあるが,少しずつ成長しているのかも知れない.

 11月18日(12日目) 朝見ると,沈んでエアレーションの周りにいるようだ.暗くしていると,眠っているのかな?今日も水換えと餌をやった.漂っていた幼生が泳いでいる感じになってきた.

 11月19日(13日目) 底にいるようなのが認められた.着底したのかどうかはわからない.少なくとも変態した感じはないので,まだまだこれからなのだろう.しばらく,このまま様子をみたいと思う.

 11月20日(14日目) 今日で2週間経ったことになる.最近は大きな変化はない.

 11月21日(15日目) 今日もわずかな水換えと餌やりを実施した.また,スポイトで中の水を撹拌してみた.あまり,良くないかも??

 11月22日(16日目) エビの形をしてきたような気もする.長さはビーシュリンプの初期のときよりも長いが(現在,3mm程度),太さははるかに細い.それほど,成長を感じさせない.数は減ってはいないと思う(20匹くらい).

 11月23日(17日目) 大熊さんのレポートでは着底エビが現れた日になるが,うちのははっきり着底している感じはしない.温度が低いのでもう少し時間がかかるのだろうか?

 11月24日(18日目) 良く,ここまで生きていたな・・・.

 11月25日(19日目) 漂っている幼生(?)は10匹程度.減っているのか,着底したのかはいまだに不明.今日も水換えをした.蒸発分も考えると,そろそろ80%海水を使わなくても良いかもしれない.

 11月26日(20日目) もう,20日経過した(未だとも言う・・・).おそらく,水温の違いが成長速度の違いとして(うちでは24゜〜25゜)あらわれているかもしれない.この分だと,完全淡水に戻せるには2カ月くらい必要か??

 11月27日(21日目) 漂っている幼生が減っている気がする.と言っても,着底したのも見受けない??

 11月28日(22日目) 今日は水槽の水換えをした.直接は関係ないが,水温が下がってきたので,心配だ.

 11月29日(23日目) 水が僅かに白みを帯びて,幼生の姿が全くなくなった.失敗したのかも知れない.水質維持が課題かもしれない.

 11月30日(24日目) どうやら,今回は失敗に終わったようだ...

 12月10日 一応,そのまま水を回しているブラインシュリンプ孵化器は日に日に虚しさを誘うのだ・・・.でも,水はだいぶきれいになった.やっと,良い状態になったのかも知れない.さて,前に生んだヤマトヌマエビはその後,抱卵しなかったのだが,今日,再び抱卵したことが確認できた.そこで,もう一度,同じ方法でトライしてみようと思う.
問題点は,
生む前にストレスを与えないように注意すること.
10日目くらいからの水の汚れをいかに防ぐかである.
そこで,今回の隔離日は10日後の12月20日と決定することにする.また,その後,なるべく少しずつでも水を換えてみることにしよう!

12月21日ブラインシュリンプ孵化器にヤマトヌマエビを隔離した.24日まで,脱卵あるいは孵化の気配はない.今回は,ウイローモスを多めに入れ,エアレーションを少なめにしたので,ストレスは小さく抑えられているかも知れない.そろそろ,抱卵後,2週間が過ぎようとしている.注意深く観察するつもりだ.

1999年のスタートです.でも,水槽の生物にとっては何にも変わらないようです.さて,以前抱卵したヤマトヌマエビはそのまま卵を付けたまま年越しをしました.何と,1カ月近く孵化器の中で生活しています.さすがに,ちょっと可哀想です.でも,ここまできたら待つのみです.少し,塩水を加えてみることにしました.それにしても,前回の分が,如何に早産で未成熟な幼生を育てていたのか分かる気がします.ビーシュリンプの孵化が20日から25日程なので,その倍近い期間は抱卵していると言えそうです.今度,ちゃんと調べてみよう!!

どうやら,30日くらいで孵化するらしい.今回の孵化は塩分濃度が低かったためか,すべて駄目だった.

 1月31日,別のヤマトヌマエビが幼生を孵化させた.今回は,ブラインシュリンプの孵化器はそのまま回しておいたので,幼生をスポイトで集めて入れてみた.これで,塩分濃度に関する問題は無いと思うが,蒸発が激しいので,注意が必要だ.孵化日1月31日

 3月9日,だいぶ,更新をさぼっていました.31日孵化分は全滅しました.幼生は水質変化に弱いのかも知れません.むしろ,塩分を加える方が良い感じです.現在,2月はじめに孵化したエビが隔離用のプラケースにいます(2〜3匹は).3月7日誕生の幼生も相当量ブラインシュリンプの孵化器に入っています.

 4月15日,未だに失敗の繰り返しです.最近,他の方のHPで成功例を見る度に別の水槽で海水を作ってないと駄目かな〜?と,思えています.

 4月25日,PHメーターと比重計を購入してきました.まじめに,データを取ってみるつもりです.今,隔離中のヤマトヌマエビがそろそろ,幼生を生んでくれる時期かと思います.75%海水を作るつもりです.

 4月28日,幼生を確認.75%海水を作る.留守にするため,その状態で放置...

 5月9日,一応,数匹は(確認できたのは2匹)幼生が生きているようだ.まだ浮遊している.今日から少し人口飼料を入れてみよう.

 5月26日,しばらくは生きているのを確認できたのだが,やっぱり駄目だったようです.餌を考えると,今度,海へ行って海水取ってこようかな!!個人的な都合で,この繁殖失敗記は終了して,秋からパート2へ移行するつもりです.たぶん,夏はヤマト君達も休憩したいだろうし・・・.と言うことで,10月頃パート2(成功編になればよいけれど)を始めますので,それまでお待ちください. 

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