コリドラスアエネウスの繁殖

 これまた,日誌風に繁殖記を作りました.コリドラスアエネウスは”赤コリ”とも呼ばれ,どこのショップでも比較的安価に売られている.色には微妙なバリエーションがあるらしく,本当にきれいな個体もあります.1匹の単価は100円〜300円程度ですので,コストパフォーマンスの高い魚と言えるでしょう.店によっては,大量に買えば,100円を切っているかも知れません.雌で4センチ程度,雄で3センチ程度で繁殖が可能です.個人的には十匹以上を水槽に入れ,群れで泳がせる(群れとは言わないかも・・・)のが好きです.そうすると,比較的水槽の前面にあの可愛らしい姿を見せてくれます.一方,繁殖だけを考えた場合には,精々,5匹くらいが(雌2に対し雄3くらい)ベストのようです.実際に,うちの水槽では最近,産卵する頻度がおちています.これは,十数匹入っているので,集中力に欠けているためだと密かに思っています(本当は何故でしょう?).

 この記録は,1997年の秋から冬の記録です.初めの一回はプラスチックケースを使いました.その後は,産卵ネットおよび産卵箱を使いました.とりあえず,繁殖用の水槽を立ちあげなくても,数十匹は殖やせるようです.

10月28日 夕方,帰宅したらコリの卵がガラス面についていた.付着しているだけなので,指を使って取り出せます.早速,プラケースに移して,エアレーションをする.カビの対策でメチレンブルーを2滴加え,取り敢えず,ヒーターなし.

10月29日 コリの卵は変化無し,カビも出ていないが,朝の水温が20度近くに下がっている.ちょっと,温度が下がり過ぎる.

10月30日 水温が低いので,早朝に(と言うより,前日夜中)45cmから,ヒーターを拝借.ごめん!!

10月31日 カビ発生!!朝になると,いくつもカビが出ていた.目立つのだけは取ったが・・・ここで,教訓,コリドラスの場合には,未受精卵が多く(シクリッド等に比べて),カビが結構出ます.卵を隔離するときにはなるべく,一つ一つに分けます.そうすれば,隣がかびても受精卵だけ残せます.卵をくっついたままにしておくと,カビが出たら隣にも感染してしまいます.

11月1日 何匹かは孵った!!しかし,多くのものはカビに侵されて,駄目だった.

11月2日 産卵ネットを購入し早速,産卵ネットを親水槽(60cm)にセットして,プラケースの魚達をスポイトで移動した(たぶん,このショックで大分死ぬかも).次の産卵を待って,ブラインを用意しよう.チビコリはようやく泳げるようになった程度だ.

11月8日 チビコリは4匹はいそう.ブラインシュリンプをやったが,食べているのやら,いないのやら.でも,こうして成長を待つだけです.ブラインシュリンプは非常に重要です.とにかく,成長が早い!!

11月10日 コリは4匹はちゃんと餌を食べているみたい...でも,1匹は黒ずんでいる(駄目なのかな??).

11月11日 コリ4+黒ずんだ1匹はすべて良好.

11月14日 朝,赤コリの産卵開始!!取り敢えず,水槽面に付いている分だけ(約20個)産卵ネットに移した.帰宅後,数十個のタマゴを確保した.今回は親水槽に入れてあるので,カビが少なければ,数十匹のコリが取れそうだ.第3回目のブラインシュリンプを作成.生まれたときの水質をそのまま維持できれば(つまり,今回のように同じ水槽内で孵化させれば),カビが出にくいような気がします.

11月15日 1/3の換水.10月28日分のはだいぶ大きくなり(1cm近いのもいる),4匹は産卵箱へ移す.イトミミズも食べれるくらいになり,放流まであと少しであろう.イトミミズもコリドラスを飼うには有効な餌です.イトミミズを親にあげると,その数日後には必ずといって良いくらい産卵します.

11月17日 14日の分はまだ,ハッチアウトしていないようだ.

11月18日 朝,タマゴが孵っているように見えるが,暗くて未確認.産卵箱の方のタマゴも明らかに減っているが,稚魚は見られない.食べられたのか,それとも,出てしまったのか,隠れているのか?

 帰宅すると,またまたコリのタマゴを発見.今度は数が少なそうだが,3,40個は確保した.週末の留守が続くので,少々心配.14日のタマゴは既に孵っているようで,ネットの隙間にチビがいる(でも,せいぜい10匹程度だろう・・・あとのは何処へ行ったのかな?).かびているのもあるので,スポイトで拾った.まあ,自然淘汰で数が減った方が良いかも?第4回目のブラインシュリンプ作成.

11月20日 チビコリもおそらく,数匹と言ったところだろう.カビた数からすると数十匹でも良い気がするが・・何故かな?大きい方のコリ達は良好のようで,みんな元気だ.

11月21日 明日からのお出かけ用にイトミミズを購入.チビコリ4匹は十分に大きくなったように見える.

11月24日 またまたコリのタマゴを発見.20個くらい確保して,ネットに入れた.18日分が孵ったようで,ネットの中には10匹はチビコリが居そうだ.これが,どのくらいの数になるのか,楽しみ,楽しみ.産卵箱のチビコリ達はだいぶ大きくなって,そろそろ親の水槽に放そうか・・・と言う,気分になっている.現在のネットの中のが大きくなって,スリットを抜けなくなったら,そっちへ移すつもりだ.

11月25日 コリドラスは順調.

11月26日 コリドラスアエネウス(チビコリ4匹)を親水槽に放し,他のを隔離箱に入れた.これはメンテがし易く,餌の与え方も楽になる.

12月1日 もう12月です.チビコリは順調です.

12月2日 10匹以上(おそらく20匹程度)の稚魚は確保できそうだ.60cmいっぱいねー.

12月8日 イトミミズが産卵箱の濾過スポンジに入り込んでいる...これは,構造的な欠陥だ(ニッソーさん,お願いしますよ)!!チビコリ2匹を放してみた.しばらくは大丈夫だったが・・・・.新しいブラインシュリンプ(第9回)をセット.

12月11日 放しておいたチビコリが大丈夫そうなので,15匹ほど親水槽に放流.11日朝に新しいタマゴを発見したので,そのまま産卵箱へ入れた.これが孵ると50匹近いコリ軍団ができるかも・・・.

12月17日 チビコリ孵ったが全滅した.たぶん,産卵箱内の水質が悪いからだと判断.前に孵ったやつも親水槽内へ入れる.同時に,ブラインシュリンプの孵化を一次停止する.この意味は,しばらくは殖やさずに行こうということ.ヤマトヌマエビをブラインシュリンプ孵化器で殖やしてみようと思っている.成功するかどうか・・・.

 さて,これでコリドラスの繁殖記事は最終回になってしまいます(予定では).そこで,繁殖にあたって,まとめてみます.

産卵前:良い水をキープしてあげましょう!!特に,底砂の汚れは厳禁です.同時に良い餌をあげましょう.底掃除だけに買ってきて,コリタブ(コリドラス用のタブレット)をあげないのは可哀想です.また,生き餌(特にイトミミズ)をあげましょう.これをあげると,うちのコリは産卵しました.良い栄養バランスが産卵には必要です(人間も同じですね).

産卵:ブリーディング用の水槽を立ちあげるのも良いことです.特に,たくさんの子供を育てたいときには必須だと思います.そうでなくて,繁殖したければ産卵ネットを用意した方が良いと思います.ガラス面に付いた卵をできるだけ丁寧に取って一粒一粒付着させます.

稚魚の育成:ハッチアウトしたら,ブラインシュリンプの孵化を開始しましょう.やはり,ブラインシュリンプは稚魚にとって最高の餌です.成長速度は早いので,ブラインシュリンプさえやっていれば,必ず育つと思います.

では,繁殖を楽しんでください!!